インドネシア、AIの初の国家戦略を策定へ=通信デジタル相

7月23日 インドネシアのネザール・パトリア通信デジタル次官は21日のロイターのインタビューで、人工知能(AI)に関する初めての国家戦略を8月に策定すると明らかにした。写真は1月27日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Stanley Widianto
[ジャカルタ 22日 ロイター] - インドネシアのネザール・パトリア通信デジタル次官は21日のロイターのインタビューで、人工知能(AI)に関する初めての国家戦略を8月に策定すると明らかにした。AI関連のロードマップを盛り込み、世界でAI開発と半導体製造の競争が激化する中で外資企業を呼び込んで取り組みを加速させたい考えだ。
インドネシアは2023年にAIに関する比較的小規模な倫理指針を取りまとめていたが、包括的な国家戦略を打ち出すのは初めてとなる。
ネザール氏は「このロードマップはAI開発者が(インドネシア市場を)誘導するのに役立ち、インフラやコンピューター関連のクラスターも含まれる」とし、健康や農業などの分野でのAI導入についても詳述すると説明。インドネシアでのAIエコシステム構築を目的としているとして「これは投資家にインドネシアでのAI活用の可能性を示すことになる。投資家がインドネシアに資本を投じることに興味を持ってくれると願っている」と語った。
経営コンサルティング会社の米ボストン・コンサルティング・グループが4月に発表した報告書は、AIが東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国に大幅な経済成長をもたらすと見込んでいる。2027年までにAIの国内総生産(GDP)に対する貢献率が2.3―3.1%となり、成長率でインドネシアが最も大きな恩恵を受けると予測した。
米半導体大手エヌビディアは昨年、大規模言語モデルサービスでインドネシアのIT最大手ゴートゥ・ゴジェック・トコペディアと組み、通信会社インドサットに対して半導体を供給した。
米マイクロソフトも昨年、インドネシアでのクラウドサービスとAIの拡大に今後数年間で計17億ドルを投資すると発表した。
ネザール氏は「私たちはインドネシアのAI開発産業に参入する全てのグローバルIT企業に門戸を開いている」と強調。また、半導体の世界でのサプライチェーン(供給網)でインドネシアのシェアを高めるため、ハードウエア開発に必要となる重要鉱物を外国企業に売り込んでいることも明らかにした。