ウクライナ大統領が「火消し」、汚職撲滅巡り国内でデモ 欧州から批判で

ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、汚職撲滅に向けた新たな計画を2週間以内に策定すると表明した。写真は汚職撲滅を巡るデモ集会。リビウで22日撮影(2025年 ロイター/Roman Baluk)
[キーウ 23日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、汚職撲滅に向けた新たな計画を2週間以内に策定すると表明した。
ゼレンスキー大統領は22日、汚職対策機関への規制を厳格化し、独立性を制限する法律に署名。ウクライナ主要都市では、ロシア侵攻開始後初の抗議デモが発生した。
汚職対策は欧州連合(EU)加盟の条件となっていたものの、欧州同盟国の当局者からも異例の批判が上がった。
ドイツのワデフル外相は、新たな法律は「ウクライナのEU加盟への道を妨げる」とXに投稿。フランスのアダッド欧州担当相も同法を撤回するにはまだ遅くないと述べた。
ウクライナの政治アナリストらは、ロシアとの戦争の重要な局面において、ゼレンスキー大統領に対する社会の信頼を損なう恐れがあると指摘した。
ゼレンスキー大統領はテレグラムに「社会の声を聞いている」と投稿。「われわれにはロシアという共通の敵がいる。ウクライナ国家を守るには、法執行機関と反汚職システムの十分な強化、真の正義感が必要だ」とし、迅速に新たな計画を策定する考えを示した。