シリアは政策修正なければ国家分裂も、米特使が暫定大統領に警告

7月23日 米国のシリア特使を務めるトーマス・バラック氏(写真)はロイターのインタビューで、シリアのシャラア暫定大統領と非公式に会談したことを明らかにした。写真は22日、レバノンの首都ベイルートで撮影(2025年 ロイター/Emilie Madi)
Samia Nakhoul Maya Gebeily
[ベイルート 22日 ロイター] - 米国のシリア特使を務めるトーマス・バラック氏はロイターのインタビューで、シリアのシャラア暫定大統領と非公式に会談したことを明らかにした。政策を見直してより幅広い民族や宗教を受け入れるように促すとともに、こうした取り組みがなければシリアは国際的な支援を失い、国家分裂の恐れがあると警告した。
バラック氏は会談の内容として、軍の内戦前の構成を再考してイスラム主義的な思想の植え付けを弱め、地域安全保障で支援を求めるようシャラア氏に助言したと説明。迅速に改革に取り組まなければ権力の座に就くのを後押しした勢いを失うリスクがあり、うまくいっていない方針に固執せず大統領として成長すべきだとの考えを示したという。また、シリア新政府は政権に少数派を「より迅速かつ包括的に」統合することを検討すべきだとも述べた。
さらに、現在のシリア情勢は極めて危険と指摘。「イスラム主義の新政権に代わる後継案も現実的な代替政権も存在しない」と述べ、シリアがリビアやアフガニスタンと同じか、もしくはそれ以上の混乱に陥る可能性があるとの認識を示した。