OPEC月報、石油需要予想据え置き 年後半の世界経済を楽観

7月15日、 石油輸出国機構(OPEC)は公表した月次報告書で、2025年と26年の世界の石油需要見通しを据え置いた。写真はOPECのロゴ。アゼルバイジャンで2024年11月撮影(2025年 ロイター/Maxim Shemetov)
Alex Lawler
[ロンドン 15日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は15日公表した月次報告書で、2025年と26年の世界の石油需要見通しを据え置いた。今年下半期の世界経済は貿易紛争の影響を受けるにもかかわらず、予想より堅調に推移するとの見通しを示した。
また、精製業者の原油処理量は夏期の旅行需要を満たすため高い水準にとどまると見込んだ。
OPECは報告書で「これまでのところインド、中国、ブラジルは予想より好調となっており、米国とユーロ圏は昨年からの回復が続いている」と指摘。「こうした情勢を踏まえると、2025年下半期の経済成長は現時点での予想を上回る結果となる可能性がある」とした。
OPEC加盟国とロシアなどで構成する「OPECプラス」は7月5日、8月に日量54万8000バレル増産することで合意した。予想を上回るOPECプラスの増産にもかかわらず、石油価格は大きくは下落していない。
OPECは報告書で、世界の精製業者の原油処理量は6月、製油所がメンテナンスから復旧したのに伴い、5月と比べ日量210万バレル増加したと指摘。これは石油市場の地合いが強まっているシグナルであり、原油処理量は今後も高止まりする公算が大きいとした。理由として、ガソリンやジェット燃料、家庭向け燃料などの季節的需要の増加を挙げた。