英中銀総裁、IMFは世界経済への対応で重要な役割

7月15日、イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は、世界経済に高いリスクをもたらしている不均衡への対応で、国際通貨基金(IMF)が重要な役割を担っているとの見解を改めて示した。同日、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Isabel Infantes)
William Schomberg
[ロンドン 15日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は15日、世界経済に高いリスクをもたらしている不均衡への対応で、国際通貨基金(IMF)が重要な役割を担っているとの見解を改めて示した。「われわれが直面している重要な課題は、世界経済の成長を加速させることだ」と述べた。
英金融業界幹部らを集めた夕食会で述べた。
20カ国・地域(G20)の金融監督当局でつくる金融安定理事会(FSB)の議長を務めるベイリー氏は、FSBがIMFと協力し、ヘッジファンドや銀行などを含めた世界の金融システムを評価する方法を開発すると明らかにした。
ベイリー氏は米国が巨額の貿易赤字と経常赤字を抱える一方、中国が多額の貿易黒字と経常黒字になっていることや、中国の内需低迷を中心とした問題の解決には、多国間で解決しなければならないとし、それらの課題への対応が「国家レベルでしか実施されないのであれば、良い政策立案はできないだろう」と述べた。
巨額の赤字を抱える国々は金融市場の最も大きな圧力を受けているとして「今年に入り、市場の動揺を目の当たりにした。金融の安定性のリスクに細心の注意を払う必要があり、注意深く見守っている」とした。
中国については「危険なレベルの貿易規制が発動され、マクロ経済の変動や金融の不安定性をもたらす困難な調整を迫られる前に」内需の問題に取り組むべきだとの見解を示した。