インタビュー:関税が荷量に影響、米政策を見極め=川崎汽船社長

7月16日、川崎汽船の五十嵐武宣社長(写真)はロイターのインタビューに応じ、米関税の影響で荷量に影響が出ており「一部の輸送で船が全部埋め切れなかったり、コンテナ船でも東アジアから米国向けの便数を減らした時期がある」と明らかにした。写真は同日、都内で撮影(2025年 ロイター/Kathleen Benoza)
Kentaro Okasaka
[東京 16日 ロイター] - 川崎汽船の五十嵐武宣社長は16日、ロイターのインタビューに応じ、米関税の影響で荷量に影響が出ており「一部の輸送で船が全部埋め切れなかったり、コンテナ船でも東アジアから米国向けの便数を減らした時期がある」と明らかにした。「物量に応じて船腹を調整している」と語り、今後もトランプ米政権の政策を注視しながら必要な対応を講じていくと強調した。
同社は、2025年度に受ける米関税の影響を300億円と織り込んでいる。内訳は自動車船事業の輸送台数減で135億円、コンテナ船事業の荷量減や運賃下落で165億円としている。
五十嵐社長は、関税の影響を最も大きく受けるのはこのコンテナ船と自動車専用船だとし「特にコンテナ船の方は米中の関税交渉が大きく影響を与える」と指摘。8月中旬に期限を迎える関税一時停止の行方に注目していると語った。仮に関税が適用されることになれば「荷動きや市況に対しては下押し懸念になる」と指摘した。
自動車専用船については「まさしく今、日本政府が自動車に関する交渉をしていると理解しているが、足元ではそれほど大きく数量の減少にはつながっていない」とした。ただ、関税が販売価格に転嫁された場合の影響は注視しているという。一方、国ごとに提示された相互関税の税率が異なるため、物の流れが「変わってくる可能性がある」と語り、輸送距離が延びれば事業にプラスの影響が出る可能性もあるとした。
関税への対応策として、米国航路に投入している船を欧州や中近東といった他の航路に向けたりして「オペレーションで対応できる間はオペレーションで対応する」とする一方、「状況次第で、また違った点を考える必要が出てくる」と説明。「戦略的な調整ということになると、例えば船というアセットを少し減らすということもあるのかもしれないが、通商政策自体がどういう方向に行くのかはっきりしないと、いきなり削減ということにはならない。まだ様子を見てる段階だ」と話した。
米国は、中国で建造された船舶に入港料を課すことも計画している。五十嵐社長は、「世界の建造能力の6割が中国にあり、中国の造船所を無視してわれわれの商売はできる状態ではない」と指摘。今後も一定程度、中国の造船所への発注は不可避だとした。「(入港料の)発動が10月なので、今後のルール作りも含めて進展を注視し、どういったルールが実際発令されるのかを見た上で考えていく」と語った。
このほか、五十嵐社長は環境への対応にも言及し、11隻を現在運用する液化天然ガス(LNG)を燃料とした船舶に加え、アンモニアが燃料の船の調達を検討していることを明らかにした。「二酸化炭素の排出に対してはコストがかかっていく社会になっている。より良いサービスを提供するためには低炭素、脱炭素のサービス、そういった燃料を使うことのできる船の調達はしっかり考えていきたい」と述べた。
(岡坂健太郎 編集:久保信博)
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