台湾、定例軍事演習で米国製「ハイマース」配備

7月12日、台湾軍は9日に開始した定例軍事演習「漢光」で、米国製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」を配備した。写真は台中で同日、演習に合わせて展示されたハイマース(2025年 ロイター/Ann Wang)
Ann Wang
[台中(台湾) 12日 ロイター] - 台湾軍は12日、9日に開始した定例軍事演習「漢光」で、米国製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」を配備した。
台湾中部の海岸に近い台中市周辺で、ハイマースを搭載した装甲車2台が移動しているのが目撃された。
演習は中国の侵略に抵抗する決意を示す狙いがあり、今後さらに多くの空軍機や海軍艦艇が参加し、模擬射撃訓練や実弾射撃訓練が行われる予定だ。
現場の軍当局者は、戦時下のシナリオでは発射命令が出るまでハイマースを敵の航空偵察機や人工衛星などから隠すことが極めて重要になると述べた。
中国は台湾を自国領土と見なしており、台湾周辺で軍事的圧力を強めている。
台湾国防部(国防省)は夜間に台湾周辺で中国が空軍機を14回出動させ、うち9回は台湾海峡の中間線を越えたと発表した。中国海軍の艦船9隻も確認したという。
台湾は昨年、ハイマース29基のうち最初の11基を受領し、5月に初めて試験を行った。射程距離は約300キロで、台湾海峡の対岸にある中国南部福建省の沿岸の標的を攻撃することが可能だ。