トランプ氏、BRICSに「近く」10%関税 ルラ氏再び反論

トランプ米大統領は8日、新興国グループ「BRICS」に対し、「かなり近いうちに」10%の関税を課すと言明した。写真はホワイトハウスで同日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン/ブラジリア 8日 ロイター] - トランプ米大統領は8日、新興国グループ「BRICS」諸国からの輸入品に対し「かなり近いうちに」10%の関税を課すと述べた。具体的な日程には言及しなかった。
「BRICSに加盟している国はかなり近いうちに10%の関税を課される。BRICSメンバーなら10%関税を払わなければならず、長くはメンバーにとどまらないだろう」と閣議で述べた。
BRICSは6日発表した首脳宣言で米国の軍事政策と貿易政策を間接的に批判。トランプ氏は同日、BRICSの「反米政策」に同調する国に10%の追加関税を課すと警告していた。
ブラジルのルラ大統領は8日、記者団に「BRICS首脳会議に関するいかなる不満も受け入れない。BRICS諸国に関税を課すと示唆する米大統領の発言には同意しない」と述べた。ルラ氏は前日にもトランプ氏の警告を巡り、世界に皇帝は必要ないと述べていた。
トランプ氏はBRICSが米国と基軸通貨としてのドルの地位を損なうために設立されたと証拠を示さずに主張し、そうした状況を容認しないと言明。「BRICSはドルの価値を下げ、ドルを奪い、基軸通貨から外すために設立された」とし、基軸通貨としてのドルの地位を失うことは「大規模な世界大戦に負けるようなものだ。われわれはもはや同じ国ではなくなる」と述べた。
トランプ氏は欧州連合(EU)についても言及し、おそらく2日後にも関税に関する書簡を送る見通しとした。EUが最近の貿易交渉で、米国を非常に好意的に扱っていると述べた。