FRB議長後任、トランプ氏の決定は差し迫らず=関係筋

ホワイトハウスでの議論に詳しい関係者によると、トランプ米大統領は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の後任をまだ決めておらず、決定は差し迫ったものではない。2022年6月撮影(2025年 ロイター/Sarah Silbiger)
[ワシントン 26日 ロイター] - ホワイトハウスでの議論に詳しい関係者によると、トランプ米大統領は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の後任をまだ決めておらず、決定は差し迫ったものではない。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は25日、トランプ氏はパウエル氏の後任を9月か10月までに選出・発表することを検討していると報じた。
これを受けてドルは下落し、今年のFRBの利下げ観測が高まった。
ホワイトハウスは、トランプ大統領がこの件に関して公に表明してきた発言に対し、コメントを控えた。トランプ大統領はこれまで、利下げを行わなかったパウエル議長を「愚か」と繰り返し非難し、6月6日には後任を「すぐに」指名すると表明したほか、今週には後任候補を「3人か4人」に絞り込んだと述べるなどしている。
マッコーリー・グループのグローバル為替・金利ストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏は「『影の』FRB議長となる次期候補を指名するというトランプ大統領の意向は、米国の政策決定における誠実さと自立性、ひいては米ドルの準備通貨としての地位を高める上で良い方法ではない」と指摘。「こうした見方の一部が米ドルに対する認識に浸透し、今週の米ドル売りにつながっている」と述べた。