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中国の途上国融資、担保慣行が借り手の財政管理能力を阻害=調査

2025年06月26日(木)09時42分

6月26日に発表された調査によると、中国が低所得国への融資で、コモディティー(商品)輸出収入と、制限付きエスクロー口座に保管されている現金を担保にしている慣行が、これらの国の効果的な財政管理能力を阻害している。2022年5月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[ナイロビ 26日 ロイター] - 26日に発表された調査によると、中国が低所得国への融資で、コモディティー(商品)輸出収入と、制限付きエスクロー口座に保管されている現金を担保にしている慣行が、これらの国の効果的な財政管理能力を阻害している。

中国は発展途上国のインフラ整備などに数千億ドルを融資してきた。そうした担保慣行は借り手国が経済的に苦境に陥っている時に行われることもあり、批判されている。

エイドデータ、キール世界経済研究所、ジョージタウン大学が他のパートナーと共同でまとめた報告書によると、中国の低・中所得国に対する公的融資および公的保証付き融資の総額は9110億ドルに上る。

このうちほぼ半分(57カ国にわたる4180億ドル)は、中国の銀行口座に保管されている現金預金で担保されているという。

調査によると、中国の融資機関が管理する口座の預金は、平均して、低所得資源輸出国の年間対外債務返済額の5分の1以上に相当する可能性がある。

報告書は「これらの歳入の一部は、借入国政府の管理が及ばないまま何年も海外にとどまっている」と指摘。アクセスや透明性の欠如により、債務国政府が財政を監視し運営する能力が損なわれているとしている。

ロイター
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