ハンガリーとスロバキア、EUの対ロシア制裁案に反対

ハンガリーとスロバキアの両国は、ロシアに対する欧州連合(EU)の第18次制裁包括案を支持しないことを決定した。ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相が23日、自身のフェイスブックで中継した記者会見で述べた。写真は2022年2月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[ブダペスト 23日 ロイター] - ハンガリーとスロバキアの両国は、ロシアに対する欧州連合(EU)の第18次制裁包括案を支持しないことを決定した。ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相が23日、自身のフェイスブックで中継した記者会見で述べた。
シーヤールトー氏は、両国がロシア産エネルギーの輸入を段階的に廃止するというEUの計画に対応して制裁案の阻止を決定したと話した。
EUの外交官らはこうした発言を交渉戦術とみなしており、週末に予定されるEU首脳の欧州理事会会合までに解決できると見込んでいる。
制裁案の採択には、EU加盟国の全会一致が必要とされる。ハンガリーはウクライナ支援や6カ月ごとに更新される対ロシア制裁を巡る議論の際に、承認を拒否する姿勢をたびたび示した。
シーヤールトー氏は「EUが加盟国、特にハンガリーとスロバキアに対してこれまでのように割安なロシア産の天然ガスや原油の購入を禁止したいと望んでいるために反対する」と述べた。
EU欧州委員会は10日、開始から3年以上が経過したロシアのウクライナ侵攻に対する新たな制裁案を提案し、ロシアのエネルギー収入や銀行、軍需産業を標的とした。
これに対し、スロバキアのフィツォ首相は、欧州委がスロバキアのロシア産エネルギー依存に対処する解決策を提示しない限り制裁案を支持しないと反論した。
スロバキアとハンガリーは引き続きロシア産の原油と天然ガスに依存しており、対ロシア関係も良好な状況を維持している。一方、EUの他の加盟国はロシア産エネルギーの利用を大幅に削減している。