EUはレアアース共同備蓄が必要 供給網や中国対策で=欧州委高官

23日付のドイツ経済専門紙ハンデルスブラットによると、欧州連合(EU)欧州委員会のセジュルネ上級副委員長(産業戦略担当、写真)は、サプライチェーン(供給網)の混乱や中国による経済面での威圧回避のためにレアアース(希土類)の共同備蓄が必要だとの見解を表明した。写真はブリュッセルで3月撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[23日 ロイター] - 23日付のドイツ経済専門紙ハンデルスブラットによると、欧州連合(EU)欧州委員会のセジュルネ上級副委員長(産業戦略担当)は、サプライチェーン(供給網)の混乱や中国による経済面での威圧回避のためにレアアース(希土類)の共同備蓄が必要だとの見解を表明した。
さらにセジュルネ氏は代替供給源の確保に向け、年内に入札を追加実施する考えも示した。
セジュルネ氏は「加盟各国には現在、石油とガスの戦略備蓄がある。われわれは重要鉱物も備蓄するべきだ」と述べた。
重要鉱物を巡っては中国が4月にレアアース磁石の輸出規制に乗り出したため、欧州の外交官や自動車メーカーなどが製造停止回避のため対中交渉に追われた。
こうした事態を受け、欧州委員会は6月、域外での新規13件の重要鉱物プロジェクトを発表。防衛や宇宙航空産業に加え、脱炭素エネルギーシステム分野で競争力を確保する際に不可欠な金属や鉱物の供給強化に着手した。
セジュルネ氏は対中貿易紛争が起きた場合にも言及し、EUは自衛手段の行使も辞さないと表明した。「欧州もいよいよ競争相手と同じ武器を使わねばならない」と述べた。
一方、中国は6月、EUの懸念を重視し、レアアース輸出の承認手続きを迅速化することを検討すると明らかにしている。