英首相、防衛支出を35年までにGDP比5%に増額と表明

6月23日、英国のスターマー首相(写真)は、同国の防衛・安全保障支出を2035年までに国内総生産(GDP)比で5%に増やすと表明した。1月8日、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)
[ロンドン 23日 ロイター] - 英国のスターマー首相は23日、同国の防衛・安全保障支出を2035年までに国内総生産(GDP)比で5%に増やすと表明した。北大西洋条約機構(NATO)の目標を達成するとともに、不確実性が極めて高い状況下で英国の競争力と強靱性を強化するためだ。
NATOは24─25日にオランダのハーグで開く首脳会議で、加盟国の防衛支出をGDP比5%とする新たな目標で合意する見通し。欧州に安全保障面でより大きく責任を負うよう求めているトランプ米大統領の主張に応じる格好になる。
英首相府によると、英国は伝統的な防衛にGDPの3.5%、幅広い安全保障にGDPの1.5%をそれぞれ支出することを約束する方針。NATOの新たな目標に基づき、英国は全般的な防衛支出を2027年までに少なくともGDPの4.1%に増やす見込みだ。
一方で英政府は24日に新たな国家安全保障戦略を公表する。輸送、エネルギー、ネットワーク、デジタルインフラといったセクターを破壊工作やサイバー攻撃から保護する取り組みを強化することを勧告する。
スターマー氏は声明で「われわれは不確実性が極めて高いこの局面を、機敏な動き、スピード感、明確な国益意識を持って乗り切らなければならない」と強調した。
だが新たな目標を達成するためにどのように財源を捻出するか、他の公共支出をどの程度押さえ込むかを巡っては、疑念が生じている。