ニュース速報
ワールド

英下院、安楽死容認法案を可決 法制化に向け上院審議へ

2025年06月21日(土)05時48分

英議会下院は20日、終末期患者の「安楽死」を認める法案を採決し、314人が賛成、291人が反対し、賛成多数で可決した。ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Isabel Infantes)

[ロンドン 20日 ロイター] - 英議会下院は20日、終末期患者の「安楽死」を認める法案を採決し、314人が賛成、291人が反対し、賛成多数で可決した。法案では、判断能力があり、余命半年以下と診断されたイングランドおよびウェールズの成人末期患者に、医療の助けを借りて自ら人生を終えることを選ぶ権利が認められる。

法案は今後、上院に送られ、数カ月にわたり審議される見通し。内容が修正される可能性もあるが、法案そのものは阻止しないとみられる。世論調査では、英国民の過半数が安楽死を支持している。

2024年11月に行われた下院での1回目の採決は賛成330、反対275だった。その後、内容を精査した上で審議していた。

賛成派は苦しむ患者に尊厳を与えると主張。一方、反対派は患者が家族や社会の重荷になることを恐れ、自ら命を絶つべきだと感じるかもしれないと懸念している。

当初の案で必要とされていた安楽死に対する裁判所の承認は、ソーシャルワーカーや法曹関係者、精神科医で構成されるパネルの判断に変更された。

法案を提出した労働党のキム・レッドビーター議員は、今回採決された法案は依然、世界でも高い水準の保護措置が含まれていると指摘した。

安楽死を巡っては、オーストラリアやカナダ、米国の一部の州などで認められている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

焦点:米で重要鉱物、オクラホマが拠点に 中国依存脱

ビジネス

米国株式市場=S&P500・ナスダック下落、中東情

ビジネス

NY外為市場=ドル/円3週ぶり高値、中東への米関与

ビジネス

利下げ急がず、関税リスク無視できず=米リッチモンド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    全ての生物は「光」を放っていることが判明...死ねば…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    「巨大キノコ雲」が空を覆う瞬間...レウォトビ火山の…
  • 8
    マスクが「時代遅れ」と呼んだ有人戦闘機F-35は、イ…
  • 9
    イギリスを悩ます「安楽死」法の重さ
  • 10
    「まさかの敗北」ロシアの消耗とプーチンの誤算...プ…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 10
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 5
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中