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利下げ急がず、関税リスク無視できず=米リッチモンド連銀総裁

2025年06月21日(土)05時50分

米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は20日、関税がインフレを加速させるリスクがある一方、雇用市場と消費者支出が耐性を示していることを踏まえ、利下げを急ぐ必要はないと述べた。4月撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)

Howard Schneider

[ワシントン 20日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は20日、関税がインフレを加速させるリスクがある一方、雇用市場と消費者支出が耐性を示していることを踏まえ、利下げを急ぐ必要はないと述べた。ロイターのインタビューに応じた。

バーキン氏は、管轄地区の企業は依然として、新たな関税の導入に伴い年内に価格が上昇すると予想しており、今後数カ月で輸入関税がさらに上昇する可能性があると指摘。一方、失業率は4.2%と低い水準にとどまっており、企業は最大限雇用を維持するという米連邦準備理事会(FRB)のもう一つの目標を損なうような大規模なレイオフに踏み切る兆しは見られないとも述べた。「どちらの側にも、行動を急ぐ必要があると思わせるような事態は起きていない」と語った。

さらに「現状に満足している。コアインフレ率は依然として目標を上回っており、適度な引き締め策を講じることは、この問題に対処する良い方法だ」との認識を示した。

18日まで開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の際に発表したFRBの新たな経済予測では、成長の鈍化とインフレの上昇が予想されている。

バーキン氏は、政策担当者の意見が僅差で分かれていると指摘した上で、関税が消費者に全額転嫁されて価格が上昇したり、企業が人員削減でそれを吸収しようとして失業率が上昇したりするなど、今後数カ月で起こり得ることについては、いくつかのシナリオが考えられると述べた。

主要な関税決定が依然として保留中であるため、「(貿易)政策がどうなるかについて確信が持てない」とし、FRBは様子見を見ているとした。その上で「様子見というのは、ブレーキを踏むことではない。アクセルを踏まないということだ」とした。

ロイター
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