米穀物商社ブンゲのバイテラ買収、中国当局が承認 手続き完了の最終関門突破

6月13日、米大手穀物商社ブンゲは、スイスの資源大手グレンコア傘下でカナダ最大の穀物商社バイテラを買収する計画について、中国当局から承認を得たと発表した。写真はブンゲのロゴ、2023年4月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[シカゴ 13日 ロイター] - 米大手穀物商社ブンゲは13日、スイスの資源大手グレンコア傘下でカナダ最大の穀物商社バイテラを買収する計画について、中国当局から承認を得たと発表した。国際的な農業セクターにおけるM&A(合併・買収)として過去最大級となる買収に向けた最後のハードルを越えた形だ。
ブンゲは、買収手続きを「7月2日前後」に完了すると表明した。既にカナダ、欧州連合(EU)などの規制当局は買収を条件付きで認めている。
ブンゲのグレッグ・ヘックマン最高経営責任者(CEO)は「今回この規制面での節目を達成したことは重大な一歩で、手続き完了への道が開かれる。中国の承認は、ブンゲとバイテラが統合して優良な国際的農業ビジネス企業を創出する戦略的合理性を浮き彫りにしている」と述べた。
統合後の新会社は、業界トップのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)やカーギルに迫る規模となる。
ブンゲと競合企業はいずれも、需要の落ち込みや世界的な穀物の供給過剰を背景に最近数四半期は収益が減少傾向だった。ブンゲにとっては関税やバイオ燃料政策を巡る不透明感も逆風となっている。
モーニングスター・リサーチ・サービシズの株式ストラテジスト、セス・ゴールドスタイン氏は「穀物取引・加工業界ではさらに再編が進むと予想している」と語った。