ニュース速報
ワールド

国連安保理が緊急会合、イランとイスラエルが非難の応酬

2025年06月14日(土)14時09分

国連安全保障理事会はイスラエルがイランに対する大規模な攻撃に踏み切ったことを受け、13日に緊急会合を開く。会合の開催はイランが要請した。(2025年 ロイター/Andrew Kelly)

[国連 13日 ロイター] - 国連安全保障理事会は、イスラエルによるイランへの大規模攻撃を受けて緊急会合を13日に開いた。イランとイスラエルは相互に厳しく非難。またイランは、米国がイスラエルの攻撃に加担したと非難した。

緊急会合の開催はイランが要請した。アラグチ外相は安保理宛ての書簡で「イスラエルは越えてはならない一線を越えた。国際社会はこうした犯罪を罰せずに放置してはならない」とし、イスラエルによる攻撃は「国連加盟国であるイランの主権と領土保全に対する重大な侵害であるだけでなく、侵略行為と戦争犯罪でもある」と非難した。

イスラエルは13日未明、イランの核関連施設や弾道ミサイル工場、軍司令官を標的とした大規模な先制攻撃を実施。イランは13日夜、報復攻撃を実施した。

イスラエルのダノン国連大使は、イランが「戦争の準備」を進めていたと指摘し、攻撃は「国を防衛するための行為」だと述べた。

イランのイラバニ国連大使は、イスラエルが「外交を亡き者にし、交渉を妨害し、地域をより広範な紛争に引きずり込もうとしている」と非難。米国の共謀は「疑いの余地がない」とし、その結果に対する全責任を負うことになるとした。

緊急会合に出席した米国務省高官は、イランが核兵器を保有したり中東を不安定化させないために、引き続き外交による解決を追求していくとし、「イラン指導部は交渉するのが賢明だ」と述べた。イスラエルの攻撃については、事前に知らされていたが軍事的関与はしていないと説明した。

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、イスラエルの攻撃により、イラン中部ナタンズの核濃縮施設が破壊されたと述べた。またイランからの報告として、フォルドゥとイスファハンの核関連施設も攻撃を受けたとした。

中国の傅聡国連大使は、イスラエルの攻撃はイランの主権、安全保障、領土の一体性を侵害するものだと非難し、イスラエルに危険な軍事行動を直ちに全面的に停止するよう求めた。今回の事態がイランの核問題を巡る外交交渉に悪影響を及ぼすことを深刻に懸念しているとも述べた。国営新華社通信が伝えた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:中国で値下げ競争激化、デフレ長期化懸念 

ワールド

米政権、農場やホテルでの不法移民摘発一時停止を指示

ワールド

焦点:イスラエルのイラン攻撃、真の目標は「体制転換

ワールド

イランとイスラエル、再び相互に攻撃 テヘラン空港に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    【動画あり】242人を乗せたエア・インディア機が離陸…
  • 5
    ゴミ、糞便、病原菌、死体、犯罪組織...米政権の「密…
  • 6
    メーガン妃がリリベット王女との「2ショット写真」を…
  • 7
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 8
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 9
    先進国なのに「出生率2.84」の衝撃...イスラエルだけ…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 6
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 7
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 10
    救いがたいほど「時代錯誤」なロマンス映画...フロー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中