国連安保理が緊急会合、イランとイスラエルが非難の応酬

国連安全保障理事会はイスラエルがイランに対する大規模な攻撃に踏み切ったことを受け、13日に緊急会合を開く。会合の開催はイランが要請した。(2025年 ロイター/Andrew Kelly)
[国連 13日 ロイター] - 国連安全保障理事会は、イスラエルによるイランへの大規模攻撃を受けて緊急会合を13日に開いた。イランとイスラエルは相互に厳しく非難。またイランは、米国がイスラエルの攻撃に加担したと非難した。
緊急会合の開催はイランが要請した。アラグチ外相は安保理宛ての書簡で「イスラエルは越えてはならない一線を越えた。国際社会はこうした犯罪を罰せずに放置してはならない」とし、イスラエルによる攻撃は「国連加盟国であるイランの主権と領土保全に対する重大な侵害であるだけでなく、侵略行為と戦争犯罪でもある」と非難した。
イスラエルは13日未明、イランの核関連施設や弾道ミサイル工場、軍司令官を標的とした大規模な先制攻撃を実施。イランは13日夜、報復攻撃を実施した。
イスラエルのダノン国連大使は、イランが「戦争の準備」を進めていたと指摘し、攻撃は「国を防衛するための行為」だと述べた。
イランのイラバニ国連大使は、イスラエルが「外交を亡き者にし、交渉を妨害し、地域をより広範な紛争に引きずり込もうとしている」と非難。米国の共謀は「疑いの余地がない」とし、その結果に対する全責任を負うことになるとした。
緊急会合に出席した米国務省高官は、イランが核兵器を保有したり中東を不安定化させないために、引き続き外交による解決を追求していくとし、「イラン指導部は交渉するのが賢明だ」と述べた。イスラエルの攻撃については、事前に知らされていたが軍事的関与はしていないと説明した。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、イスラエルの攻撃により、イラン中部ナタンズの核濃縮施設が破壊されたと述べた。またイランからの報告として、フォルドゥとイスファハンの核関連施設も攻撃を受けたとした。
中国の傅聡国連大使は、イスラエルの攻撃はイランの主権、安全保障、領土の一体性を侵害するものだと非難し、イスラエルに危険な軍事行動を直ちに全面的に停止するよう求めた。今回の事態がイランの核問題を巡る外交交渉に悪影響を及ぼすことを深刻に懸念しているとも述べた。国営新華社通信が伝えた。