米ロ関係の迅速改善は期待できず、対話継続へ=クレムリン

6月11日、ロシア大統領府(クレムリン)は、米国との関係改善と「不快な刺激要因」の除去を目指した協議について、迅速な成果は期待できないとの見通しを示した。写真は、クレムリンにある大聖堂のドームと塔。5月19日、モスクワで撮影(2025年 ロイター/ Evgenia Novozhenina)
[モスクワ 11日 ロイター] - ロシア大統領府(クレムリン)は11日、米国との関係改善と「不快な刺激要因」の除去を目指した協議について、迅速な成果は期待できないとの見通しを示した。
クレムリンのペスコフ報道官は記者団に「二国間関係には多くの障害があると言える。もちろん迅速な成果はほとんど期待できないが、これはまさに複雑で段階的な作業で、既に開始され、今後も継続される」と述べ、対話が停滞しているとの見方を否定した。
トランプ米大統領の就任以来、バイデン前政権下でロシアが「ゼロ以下」と表現した関係の改善を目指して両国は一連の接触を開始。ただトランプ氏は、プーチン大統領と4回電話会談したものの、ウクライナにおけるロシアの軍事行動と、和平合意に向けて目立った進展が見られない事態に不満を表している。
ロシアのダルチエフ駐米大使は11日、協議の舞台が間もなくイスタンブールからモスクワに移ると発言。タス通信に「両国関係の回復にはなお長い道のりがある」と述べ、米国の「ディープステート(闇の政府)」と議会内の反ロシア「タカ派」によって関係改善が遅れているとの考えを示した。