情報BOX:移民デモ対応に州兵派遣、トランプ氏判断の法的根拠は

トランプ大統領は、移民の取り締まりに抗議する数百人規模のデモ活動が続くカリフォルニア州に州兵部隊を派遣した。写真は、派遣されたカリフォルニア州兵。6月8日、ロサンゼルスで撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
Dietrich Knauth
[9日 ニューヨーク] - トランプ大統領は、移民の取り締まりに抗議する数百人規模のデモ活動が続くカリフォルニア州に州兵部隊を派遣した。抗議活動は連邦法執行機関の妨害行為であり、米国政府の権威に対する「反乱の一形態」である可能性があると指摘した。ヘグゼス国防長官は9日、抗議活動への対応の一環として、海兵隊員700人を動員した。
カリフォルニア州は同日、ロサンゼルス郡への「違法な」軍隊配備を中止し、州兵をニューサム州知事の指揮下に復帰させるようトランプ政権を提訴した。
<州兵の配備を正当化する法律>
トランプ大統領は7日、カリフォルニア州兵を召集する命令の中で、米軍の役割を概説した連邦法である合衆国法典第10編を引用した。
合衆国法典第10編第12406条の規定では、米国が侵略された場合、「反乱または反乱の危険」がある場合、または「大統領が正規軍をもってして米国の法律を執行できない」場合、大統領が州兵部隊を連邦政府の任務に派遣することを認めている。
<州兵に認められた活動>
1878年の法律「ポッセ・コミタトゥス法」は、州兵を含む米軍が民事法の執行に参加することを一般的に禁じている。
第12406条は、その禁止事項を無効にするものではないが、軍隊が法執行活動を行っている連邦職員を保護し、連邦の財産を保護することを認めている。
たとえば、州兵は抗議者を逮捕することはできないが、逮捕を行っている移民・税関捜査局(ICE)を保護することはできる。
<カリフォルニア州の主張>
カリフォルニア州は提訴で、州知事の同意なしに州内に部隊を配備することは連邦法および州の権利を保護する合衆国憲法修正第10条に違反すると主張している。
カリフォルニア州は、州内には「反乱」も「侵略」も存在せず、米国法の執行を妨げる状況もないため、今回の派遣は合衆国法典第10編の要件をいずれも満たしていないと主張している。
訴状によると、トランプ大統領は州兵を派遣する前にニューサム知事に相談しておらず、州兵派遣の命令は「各州知事を通じて発せられなければならない」とする連邦法第12406条の規定に違反している。
<同州が裁判で求めていること>
カリフォルニア州は裁判で、トランプ大統領の命令が違法であるという裁判所の宣言と、その執行を阻止する差し止め命令を求めている。
<裁判所の判断はどうなるか>
このような紛争にはほとんど前例がない。カリフォルニア州のボンタ司法長官によると、1970年の郵便公社ストライキの際、ニクソン大統領が郵便物を配達するために州兵を召集した1回だけだという。
左派と右派双方の擁護団体に所属する法律専門家5人は、トランプ大統領が抗議行動への対応として第10編を利用したことに疑問を呈し、特にニューサム知事の支持がない場合には、それは扇動的かつ無謀だと述べた。
専門家らは、カリフォルニア州の抗議活動は「反乱」のレベルには達しておらず、連邦政府による米国法の執行を妨げるものではないと指摘した。
法律専門家の間では、裁判所が12406条に基づく州知事の役割に関するニューサム知事の主張を支持するかどうかについては意見が分かれている。
裁判所は伝統的に法律の解釈においては、「shall(するべきだ)」という文言を重視してきた。このことは、ニューサム知事が主張する「州兵の出動には知事の関与が必須である」という立場を裏付ける。しかし、別の専門家は、この法律は、州兵部隊が通常、どのように展開されるかという法的な慣行を反映して作成されたものであり、大統領の派遣決定に知事が従わない選択肢を与えるものではないと指摘している。
<トランプ大統領が適用できる他の法律>
トランプ大統領は、1792年の反乱法を発動することで、さらに広範な措置を取る可能性がある。この法律が発動されれば、軍が民事の法執行に直接参加できるようになるが、最近ではそのような前例はほとんどない。
バンス副大統領やミラー大統領次席補佐官を含むホワイトハウス高官らは、抗議活動について議論する際に「反乱」という言葉を使用しているが、政権は今のところ同法を発動するまでには至っていない。
歴代大統領は、1794年のウィスキー税反乱や南北戦争直後の白人至上主義結社クー・クラックス・クラン(KKK)の台頭といった危機への対応としてこの法律を適用し、米国内に軍隊を展開させた。この法律が最後に適用されたのは1992年、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の時だ。黒人運転手のロドニー・キング氏を暴行したロサンゼルス市警の警官の裁判を受けて広がったロサンゼルスの暴動の鎮圧のために、カリフォルニア州知事は軍事援助を要請した。
大統領が州知事の要請なしに州兵を派遣したのは1965年、ジョンソン大統領がアラバマ州モンゴメリーで公民権運動のデモ参加者を保護するために部隊を派遣したのが最後だ。
<海兵隊の役割>
法律専門家によると、トランプ大統領は第10編の規定の下で、また軍の最高司令官としての憲法上の役割において、州兵よりも海兵隊に対するより直接的な権限を持っている。
しかし、トランプ大統領が反乱法を発動しない限り、海兵隊は「いかなる捜索、押収、逮捕、その他類似の活動」にも参加できないという法的制約を受ける。国防総省は9日、海兵隊はロサンゼルスの連邦職員と連邦財産を守る州兵の活動を支援する用意があると述べ、現時点では海兵隊の役割の範囲が比較的限られていることを強調した。
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