米教育省、コロンビア大の連邦法違反を通告 「ユダヤ人学生保護せず」

６月４日、 トランプ米政権下の教育省は米コロンビア大がユダヤ人学生を保護せず、差別を禁止する連邦法に違反したとして大学認定機関の米中部高等教育委員会に通告したと発表した。同大のキャンパスで４月撮影（２０２５年　ロイター/Caitlin Ochs）

By Jasper Ward, Helen Coster

［ワシントン　４日　ロイター］ - トランプ米政権下の教育省は４日、米コロンビア大がユダヤ人学生を保護せず、差別を禁止する連邦法に違反したとして大学認定機関の米中部高等教育委員会に通告したと発表した。教育省は、このことはコロンビア大が中部高等教育委員会の定める認定基準を満たしていないことを意味すると指摘した。

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が勃発してからの約１年半にわたり、コロンビア大はイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃を非難する学生らの親パレスチナ・反イスラエル抗議運動の震源地となってきた。

マクマホン教育長官は「認定機関は連邦政府の学生支援の監督役として巨大な公的責任を負っており、どの教育機関が連邦教育ローンや（奨学金）ペル・グラントの対象となるのかを決定する」との声明を出した。

数カ月にわたってトランプ政権から圧力を受けているコロンビア大学の広報担当者は声明で、中部高等教育委員会と直接、教育省の懸念に対処し、反ユダヤ主義への対応で連邦政府と引き続き協力していると述べた。

他の認定機関と同様に独立した機関である中部高等教育委員会が今回の通告にどう対応するかは明らかではない。

同委員会の報道担当者はコメントを控えたものの、４日に教育省から今回の書簡を受け取ったことを認めた。

連邦政府は米国の大学を直接認定することはないものの、民間が中心の認定機関を監督する役割を担っている。トランプ大統領は、質の高い教育を提供できない教育機関を認定機関が認可しているとしばしば不満を口にしている。

教育省と厚生省は５月、コロンビア大がキャンパスでの抗議運動中にユダヤ人学生への嫌がらせに「意図的な無関心」で振る舞っていたことが調査で判明したと発表した。