プーチン氏「ウクライナは和平望まず」、直接協議直前の攻撃は「テロ行為」

ロシアのプーチン大統領は4日、ウクライナと国境を接するロシア西部2州で橋が崩壊して列車が脱線した事件について、ウクライナとの和平交渉の妨害を狙った「テロ攻撃」だったとの認識を示した。同日撮影(2025年 ロイター/Gavriil Grigorov)
[モスクワ 4日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は4日、ウクライナはロシアとの2回目の直接協議直前にロシア西部2州への攻撃を行ったと非難し、ウクライナは和平を望んでいないとの見解を示した。
ロシアとウクライナは今月2日にトルコのイスタンブールで和平に向けた2回目の直接協議を実施。ロシア捜査当局によると、この直前の5月31日にロシア西部ブリャンスク州で鉄道の上の橋が爆破され、388人の乗客を乗せモスクワに向かっていた旅客列車が被害を受けた。この橋の3カ所に爆弾が仕掛けられていたほか、隣接するロシア西部のクルスク州でも橋への攻撃に5つの爆弾物が仕掛けられていたとした。6月1日にブリャンスク州で発生した別の橋の爆破もウクライナが爆弾を仕掛けたとしている。
プーチン氏はロシア高官との会合で、こうした攻撃は民間人を標的にしたものと非難。これらの攻撃を巡る決定はウクライナの政治レベルで下されたとし、直接協議を前に攻撃が行われたことを踏まえると協議を妨害することを目的としていたとの見方を示した。その上で「現在のウクライナ政権は平和を全く必要としていない。テロ行為に依存する者とどのように交渉できるのか」とし、ウクライナとの首脳会談のほか、停戦実施の可能性に疑問を呈した。
ウクライナは1日、前線から4300キロ以上離れたイルクーツク州のほか、北部ムルマンスク州などにあるロシア空軍基地に大規模なドローン(無人機)攻撃を実施。複数の戦略爆撃機を破壊した。
プーチン氏はこの日の発言で、この件については言及しなかった。