台湾中銀、ドルと米国債への不安ないと強調 為替レート巡る憶測もけん制

6月1日、台湾中央銀行は声明で「ドルの国際的な基軸通貨としての地位には引き続き何の不安もない。米国の公的債務は健全で安定し、潤沢な流動性を備えており、その価値貯蔵機能は依然として投資家に好まれている」との見解を示した。写真は5月、台北の中銀前で撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
[台北 1日 ロイター] - 台湾中央銀行は1日に発表した声明で「ドルの国際的な基軸通貨としての地位には引き続き何の不安もない。米国の公的債務は健全で安定し、潤沢な流動性を備えており、その価値貯蔵機能は依然として投資家に好まれている」との見解を示した。
台湾中銀によると、台湾が保有する外貨準備5828億ドルの80%余りは米国債が占めている。
一方トランプ米大統領が4月2日に「相互関税」を発表して以来、米国債市場は動揺が続き、ドルの安全資産としての信頼性に疑念が浮上。トランプ氏がドル高に不満を示していることから、米政府がドル高修正を望んでいるとの観測も広がった。
こうした中で台湾中銀は、米国債とドルに警戒感を持つべき理由はないと強調した形だ。さらに先月、米政府が台湾に関税交渉の一環として台湾ドルの上昇容認を求めたとの見方が生じて実際に台湾ドルが高騰した点を踏まえ、メディアや市場関係者に対して為替レートについてあれこれ憶測しないようくぎを刺した。
台湾中銀は、米政府がそうした要請をしたとの見方を繰り返し否定している。