英中銀利下げ、段階的で慎重な対応継続=ベイリー総裁

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は3日、議会の財務委員会で、利下げについては「段階的かつ慎重な対応が引き続き私の方針だ」と述べた。アイルランド・ダブリンで5月撮影(2025年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)
[3日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は3日、議会の財務委員会で、利下げについては「段階的かつ慎重な対応が引き続き私の方針だ」と述べた。
世界的な貿易政策の混乱により、金利の見通しは以前に増して不透明になっているとの見解を表明。「(金利の方向は)依然として下向きだと考える」としながらも、利下げのペースや金利の最終到達点に関しては、これまで以上に不確実性が高くなっていると述べた。
英中銀が直面している状況は極めて異例だと指摘し、これまで使用してきた「不確実(uncertain)」という言葉に加えて、新たに「予測不能(unpredictable)」も用いるようになったと説明した。
ベイリー総裁は、4月の消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率が3.5%で、3月(2.6%)から大幅に加速し、2024年1月以来の高水準となったことには驚いておらず、労働市場は緩和しているとの見方を表明。賃金上昇の鈍化が追加利下げの「決定的な」条件になるとした。
英中銀は先月、政策金利を0.25%ポイント引き下げ4.25%とした。トランプ米大統領の流動的な貿易政策により市場の「予測不可能性」が高まっていることを理由に挙げた。
ベイリー総裁は、6月の金融政策委員会(MPC)会合での意向については言及を避けるとの考えを示した。
ロイターが先月まとめたエコノミスト予想では、英中銀が3カ月ごとに0.25%ポイントの利下げを継続するとの見方が強かったものの、現在、金融市場が織り込む利下げ回数は年内1回のみ、今後12カ月間ではわずか2回となっている。