中国人学生のビザ取り消しへ、共産党関係者対象 米国務長官が表明

5月28日、ルビオ米国務長官(写真)は中国共産党とつながりのある中国人留学生のビザの取り消しを始めると表明した。写真は20日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)
By Jasper Ward Costas Pitas, Michael Martina
[ワシントン 28日 ロイター] - ルビオ米国務長官は28日、中国共産党とつながりのある中国人留学生のビザの取り消しを始めると表明した。極めて重要な研究分野を学ぶ中国人学生も対象になるという。
トランプ政権は強硬な移民政策の実現に向けた取り組みの一環として、強制送還や学生ビザ取り消しを強化する方針。
ルビオ氏は声明で、中国と香港からのビザ申請の審査を強化するため基準を改定するとし、「国務省は国土安全保障省と協力し、中国人留学生のビザを積極的に取り消す」と述べた。
ワシントンの中国大使館にコメントを要請したが、回答は得られていない。
米国で学ぶ中国人留学生の数は、米中間の緊張の高まりや米政府の監視強化を背景に、最高だった2019年の約37万人から24年は約27万7000人に減少している。
米国にいる中国人大学生に幅広く適用されれば、米学校の主要な収入源に打撃となるほか、米テクノロジー企業にとって重要な人材のパイプラインが損なわれる可能性がある。
米国在住の人権研究者で、学生時代に中国から米国に渡ったヤーチウ・ワン氏は、確かに中国は米国の学問的開放性を利用してスパイ活動や知的財産の窃盗を行ってきたとしながらも、「広範な取り消しは米国で学び働く中国人学生の権利や生活を脅かすだけでなく、科学技術・イノベーションの世界的リーダーとしての長年にわたる米国の地位を損なう恐れもある」と述べた。
米商務省によれば、留学生は23年、米国経済に500億ドル以上貢献。国籍を見ると、留学生全体のうちインドと中国が合わせて54%を占めている。
ロイターは27日、トランプ政権が在外公館に対し、学生および交流訪問者ビザ取得に向けた新規面接予定を停止するよう指示したと報じた。