タイ首相、1150億ドルの来年度予算案提出 景気てこ入れ目指す

5月28日、タイのペートンタン首相(写真)は、3兆7800億バーツ(1155億ドル)の2026年度(25年10月―26年9月)予算案を国会に提出した。写真は、国会に到着した同首相。3月26日、バンコクで撮影(2025年 ロイター/Athit Perawongmetha)
[バンコク 28日 ロイター] - タイのペートンタン首相は28日、3兆7800億バーツ(1155億ドル)の2026年度(25年10月―26年9月)予算案を国会に提出した。タイは米国から高い関税を突き付けられており、低迷している経済を支えたい意向だ。
歳出は0.7%増え、財政赤字は0.7%減って国内総生産(GDP)の4.3%相当となる見通し。ペートンタン氏は国会で「全ての国民にとって生活の質を向上させながら、経済を再生させて、持続可能な成長へと導く」予算案だと説明し、「歳入の制約と世界の経済情勢を踏まえ、政府は経済の安定を維持するために財政赤字政策を追求する」と述べた。
25年と26年の経済成長率はいずれも2.3―3.3%、インフレ率は0.5―1.5%と想定している。昨年の成長率は2.5%で、他の東南アジア諸国を下回った。
予算案は、米国の関税措置による潜在的な影響は勘案していない。
下院は今後4日間かけて予算案を審議する予定で、可決が見込まれている。ただ連立政権内は現在、カジノ法案などを巡って緊張が走っており、国会を通過しない場合にはペートンタン首相が辞任もしくは解散総選挙を迫られる可能性がある。