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トランプ氏主張の「白人迫害」映像、コンゴで撮影の無関係動画と判明

2025年05月23日(金)07時22分

 トランプ米大統領が5月21日、ホワイトハウスで南アフリカのラマポーザ大統領と会談した際に、南アの白人農民が虐殺された墓だと主張して流した映像は、ロイターがコンゴ民主共和国で撮影した全く関係がない動画だったことが分かった。写真は2月3日、コンゴで反政府武装勢力M23による襲撃で殺害された人々の遺体を運ぶ人道支援団体の関係者の動画より。ロイターTV配信(2025年 ロイター)

[ヨハネスブルク 22日 ロイター] - トランプ米大統領が21日、ホワイトハウスで南アフリカのラマポーザ大統領と会談した際に、南アの白人農民が虐殺された墓だと主張して流した映像は、ロイターがコンゴ民主共和国で撮影した全く関係がない動画だったことが分かった。

この映像は今年2月3日にロイターが配信。ロイターのファクトチェックチームがその後検証したところ、コンゴの都市ゴマで隣国ルワンダが支援する反政府武装勢力M23による襲撃で殺害された人々の遺体を運ぶ人道支援団体の関係者の映像だと確かめられた。

トランプ氏がラマポーザ氏に見せたのは、保守系オンラインマガジン「アメリカン・シンカー」が投稿したこの映像だった。

アメリカン・シンカーのマネジングエディターで投稿記事を作成したアンドレア・ウィッドバーグ氏はロイターの問い合わせに対して、トランプ氏が「映像を誤認した」と認めた。

実際に映像を撮影したロイターの動画記者は「全世界が見守る中で、トランプ氏は私がコンゴ民主共和国で撮影した映像を使い、ラマポーザ氏に南アで黒人が白人を殺害していると説得しようとした」と語り、ショックを受けたとしている。

ホワイトハウスはコメント要請に応じていない。

ロイター
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