基礎的財政収支黒字化、25─26年度に 政府が柔軟化案=自民幹部

自民党で財政政策を議論する財政改革検討本部が22日に開いた幹部会合で、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標時期を従来の2025年度から25─26年度に柔軟化する政府案が示された。3月撮影(2025年 ロイターDado Ruvic)
Yoshifumi Takemoto
[東京 22日 ロイター] - 自民党で財政政策を議論する財政改革検討本部が22日に開いた幹部会合で、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標時期を従来の2025年度から25─26年度に柔軟化する政府案が示された。出席した自民幹部が明らかにした。党内で最終調整を経て、 6月中旬に政府が取りまとめる「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」に盛り込まれる見通し。
政府は2018年以降、25年度のPB黒字化を財政健全化目標として掲げてきたが、政府が1月に示した中長期の財政試算によると2025年度は1.2%と高めの実質経済成長率を達成したと仮定しても基礎的財政収支は4.5兆円の赤字にとどまる見通しで、新たな目標の設定が焦点となっていた。
複数の政府・与党関係者によると、財務省は当初、黒字化達成年限を明記せず、早期の黒字化を目指すとの文言にする案も検討していた。しかし、足元で超長期金利が急上昇するなど、市場で財政状況への懸念が高まる状況となり、自民党の財政健全派の議員から緩めの目標設定では円安・金利上昇・インフレ悪化を止めれないとの意見も出され、「達成年限を盛り込む方向になった」(財務省関係者)という。
22日の会合では「建設国債はPB算定対象から外すべきなど、微修正案を希望する意見なども出された」(出席議員)という。