午後3時のドルは143円前半へ急反落、日米財務相会談後の円安続かず

5月22日 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の143円前半で取引されている。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)
Shinji Kitamura
[東京 22日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の143円前半で取引されている。日米財務相会談で為替水準に関する協議がなかったとして、一時円安へ振れる場面もあったが、上値ではドルの戻り売りが活発で、円安はすぐに収束した。
この日はドルが朝方から急伸した。日本時間午前7時前、米財務省が文書で、今回の会談で「為替水準に関する議論はなかった」と発表すると、会談で円安是正を求められる可能性があるとの見方が一部で出ていた市場ではドルを買い戻す動きが強まり、144円半ばまで、約1円上昇した。
しかし、買いが一巡すると次第に売りが優勢となり、午前9時過ぎには143円半ばと、会談前の水準へ反落。さらに、朝方ドルを買い上がった向きのストップロスを巻き込んだことで、午前11時過ぎには143円前半まで下落した。
午後3時に過ぎにも再びドル売りが強まり、ドルは一時143.10円まで下げ幅を広げ、5月7日以来、約2週間ぶり安値を更新した。
急反落の背景について、市場では「トランプ米大統領が根本的にドル高を懸念しているとみられることは変わらず、懸念が全て解消したということではない」(バークレイズ証券為替債券調査部長の門田真一郎氏)との声が出ていた。
米財務省が発表した文章の中に「現在、ドル/円レートはファンダメンタルズを反映している」との表現が盛り込まれたことに、関心を寄せる声もあった。
みずほ証券チーフ為替ストラテジストの⼭本雅⽂氏は、米国の狙いははっきりしないとしながら「現在の水準がファンダメンタルズを反映していて、米政府が貿易赤字の削減を目指すのであれば、今後一段とドル安が進まなければならない、とも読める」と指摘した。
カナダを訪問中の三村淳財務官は、日本時間きょう正午過ぎ、会談での為替協議について「目標にすべき水準であるとか、足元の水準とか、いずれであっても水準についての議論はしてない」と発言した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 143.37/143.38 1.1333/1.1334 162.49/162.50
午前9時現在 143.69/143.70 1.1331/1.1333 162.83/162.84
NY午後5時 143.67/143.69 1.1329/1.1333 162.75/162.84