W杯に向け米ビザ発給迅速化へ、人員再配置やAI活用=国務長官

ルビオ米国務長官は5月21日、米国が2026年にカナダ、メキシコと共同開催するサッカーのワールドカップ(W杯)に向けて急増が予想される観光ビザ(査証)発給について、在外公館の人員再配置や人工知能(AI)活用で対応する考えを示した。写真はタイムズスクエアで行われたキックオフイベントで公開された、2026年W杯のロゴ。2023年5月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[ワシントン 21日 ロイター] - ルビオ米国務長官は21日、米国が2026年にカナダ、メキシコと共同開催するサッカーのワールドカップ(W杯)に向けて急増が予想される観光ビザ(査証)発給について、在外公館の人員再配置や人工知能(AI)活用で対応する考えを示した。
ルビオ氏は、議会下院外交委員会が開いた公聴会で国務省の予算が削減される中、どうやってビザ給付業務を進めていくのかと聞かれると、担当部署を拡充するかもしれないと回答。一部の大使館や領事館において24時間体制で処理が可能なように、職員の配置換えをする可能性もあると説明した。
同氏は「われわれがダブルシフト(昼夜交代制)に移行しなければ、(例えば)コロンビアで既にビザ申請が終わっていない人は、恐らくW杯に間に合わなくなる」と述べた。
米国の在コロンビア大使館のウェブサイトによると、現在コロンビア人が米国の観光ビザを取得できるまで待機する日数は398日に達している。
同氏は、特に過去にビザ取得履歴がある人については、AI技術を使って審査スピードを迅速化することも視野に入れていると付け加えた。
旅行業界団体の間では、米国側の手続きにかかる時間が長過ぎるため、W杯参加48カ国のサッカーファンが事前に観光ビザを取得できなくなるとの懸念が高まっている。