ニュース速報
ワールド

ハマス、米国籍人質を解放 イスラエルは停戦否定

2025年05月13日(火)09時28分

パレスチナのイスラム組織ハマスは12日、ガザ地区での戦闘が一時停止したことを受けて、人質になっていたイスラエル系米国人男性のエダン・アレクサンダー氏を解放したと発表した。写真は同氏の故郷ニュージャージー州テナフライで同日撮影(2025年 ロイター/Eduardo Munoz)

Nidal al-Mughrabi James Mackenzie

[12日 ロイター] - イスラム組織ハマスは12日、パレスチナ自治区ガザで人質になっていたイスラエル系米国人男性のエダン・アレクサンダー氏を解放したと発表した。ただ、より広範な停戦や人質解放について合意には至らなかった。

イスラエルのネタニヤフ首相は人質解放を実現させるため、ガザでの作戦を一時停止したが、解放後間もなく攻撃を再開した。

アレクサンダー氏はイスラエル軍の施設で家族と再会後、治療のため病院に搬送された。同氏は生存する最後の米国人人質だった。

ハマスはアレクサンダー氏解放について、今週中東を訪問するトランプ米大統領への親善の証だと主張した。

トランプ氏はこの日、自身のソーシャルメディアに「死亡したと思われていた米国人人質、エダン・アレクサンダーがハマスによって解放される。素晴らしいニュースだ!」と投稿していた。

ネタニヤフ首相はイスラエルによる軍事的圧力とトランプ大統領による政治的圧力の結果、解放が実現したと表明。イスラエル首相府によると、ネタニヤフ氏は12日にトランプ大統領と電話会談を行い、トランプ氏はイスラエルへの支持を表明したという。

ネタニヤフ氏はこれに先立ち、ハマスとの間で停戦や人質交換には同意しておらず、イスラエル系米国人の解放に向けて安全な退避のための措置を講じることにのみ同意したと表明。「イスラエルはいかなる種類の停戦にもコミットしていない」とし、ガザ地区における軍事行動を強化する計画は継続するとも述べた。

カタールとエジプトは、アレクサンダー氏解放は新たな停戦協議に向けた心強い一歩との見方を示した。イスラエル首相府によると、同国は15日に代表団をカタールに派遣し、さらなる人質解放を実現するための新たな提案を協議する。

トランプ大統領は今週の中東歴訪ではイスラエルに立ち寄らない予定だが、イスラエル当局者2人によると、釈放の手配に尽力したトランプ米政権のウィトコフ中東担当特使が12日にイスラエルを訪問するという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インドGDP、7─9月期は前年同期比8.2%増 予

ワールド

今年の台湾GDP、15年ぶりの高成長に AI需要急

ビジネス

伊第3四半期GDP改定値、0.1%増に上方修正 輸

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中