インドネシア、今年は5%の成長困難 関税が圧迫=フィッチ

5月7日、格付け会社フィッチ・レーティングスのアジア太平洋地域ソブリン格付け部門責任者は、世界的な貿易摩擦の激化と個人消費の低迷により、インドネシアが今年の5%の経済成長率を達成するのは困難と予想した。写真は2月、首都ジャカルタにあるタンジュンプリオク港で撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)
[ジャカルタ 7日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスのアジア太平洋地域ソブリン格付け部門責任者は7日、世界的な貿易摩擦の激化と個人消費の低迷により、インドネシアが今年の5%の経済成長率を達成するのは困難と予想した。ただ、成長が減速しても同国の信用格付けが直ちに見直されることはないとの見方を示した。
フィッチはインドネシアの2025年の経済成長率予測を0.1%ポイント引き下げて4.9%とし、26年は4.7%の成長を見込んでいる。
同社のトーマス・ルークマーカー氏はロイターに「経済成長と関税を巡る世界的な不確実性が大きいため、今年の5%の成長を達成するのは困難だろう」と語った。 「外部環境からの逆風がある一方で、国内の民間消費も軟調に推移している」と指摘した。
インドネシア政府は25年の成長目標を5.2%に設定している。
ルークマーカー氏は、家計支出が過去5四半期で最も低い伸びに鈍化していることに加え、国家歳入の伸び悩みが政府による景気下支えの余地を制約する可能性があると述べた。
フィッチはインドネシアの自国通貨建て長期債格付けを「BBB」、格付け見通しを「安定的」としている。ルークマーカー氏は、今年の成長率が鈍化したとしても、この格付けや見通しが変わることはないだろうと述べた。
同氏は「成長率は若干鈍化しているが、急激なものではないか、あるいは一時的なものであれば、われわれの評価を大きく左右するものではない。成長率が大幅に低下するような事態になれば状況は変わってくるだろう」と語った。