ニュース速報
ワールド

米・ウクライナ、鉱物資源協定に署名 復興投資基金設立へ

2025年05月01日(木)09時54分

4月30日、米国とウクライナは復興投資基金の設立に関する協定に署名した。写真は4月26日、バチカン市で会談するトランプ米大統領(左)とウクライナのゼレンスキー大統領。ウクライナ大統領府提供(2025年 ロイター)

Tom Balmforth Yuliia Dysa Trevor Hunnicutt

[キーウ/ワシントン 30日 ロイター] - 米国とウクライナは30日、鉱物資源協定に署名したと発表した。米国にウクライナの新たな鉱物資源取引への優先的なアクセスを与えるとともに復興投資基金を設立する内容。

米財務省がXに掲載した写真にはベセント米財務長官とウクライナのスビリデンコ第1副首相が合意文書に署名する様子が写っている。

同省は合意について「自由で主権を持ち、繁栄するウクライナに向けたトランプ政権のコミットメントを明確に示すものだ」と述べた。

スビリデンコ氏は、米国が基金に拠出することが協定で規定されているとXに投稿。「直接的な資金拠出に加え、防空システムなど新たな支援を提供する可能性もある」と述べた。米側はこの点に直接言及していない。

米財務省は協定発表にあたり、「ロシアの本格的な侵攻以来、米国国民がウクライナの防衛のために提供した多大な財政的・物質的支援に鑑み、この経済パートナーシップは、両国が協力し投資することで、相互の資産、才能、能力によってウクライナの経済復興を加速させることを可能にするものだ」とした。

ウクライナ当局は協定への署名で、ロシアとの戦争におけるウクライナへの米国の支援が強化されることを期待している。

<採掘決定はウクライナが管理>

スビリデンコ氏は、ウクライナが「何をどこで採掘するかを決定する」とし、資源は引き続きウクライナ側の所有となると説明。

また、交渉の重要ポイントとなっていた返済義務については、米国がウクライナに求めない内容になったという。

さらに、今回の協定はウクライナの憲法と欧州連合(EU)加盟に向けた取り組みに沿ったものだとし、「重要なのは、この協定が世界のパートナーに対し、数十年にわたるウクライナとの長期的協力が可能であるだけでなく、信頼できるというシグナルを送っていることだ」と述べた。

一方、ロイターが事前に確認した合意案には、ウクライナが求める米国の具体的な安全保証は明記されていなかった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、石油・燃料輸出収入が8月に減少=IEA

ワールド

ベトナムの国際最低課税、三菱商など石炭火力運営会社

ワールド

ブラジル小売売上高、7月は前月比-0.3% 高金利

ワールド

ECB利下げ、時期は12月に後ずれ=JPモルガン予
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、6000万ドルのプライベートジェット披露で「環境破壊」と批判殺到
  • 4
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 5
    毎朝10回スクワットで恋も人生も変わる――和田秀樹流…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    村上春樹が40年かけて仕上げた最新作『街とその不確…
  • 8
    謎のロシア短波ラジオが暗号放送、「終末装置」との…
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    ChatGPTを違反使用...職場に潜む「ヤバいAI人材」4タ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 7
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 10
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中