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EU、ロシア産LNG制裁対象にせず 代替調達先確保まで=外交筋

2025年01月30日(木)12時08分

 1月29日、欧州連合(EU)欧州委員会は、新たな対ロシア制裁案で同国産液化天然ガス(LNG)を対象にしなかった。写真は天然ガスパイプラインの模型とEUの旗。ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで2022年7月撮影(2025 ロイター/Dado Ruvic)

[ブリュッセル 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は、新たな対ロシア制裁案で同国産液化天然ガス(LNG)を対象にしなかった。米国などからの代替LNG確保を優先するべきだとEU加盟国の間で懸念が高まっているためだという。EU外交筋が明らかにした。

外交筋は「まず、(LNG確保に向け)取引を交わす必要がある。そうしなければ、ロシアや米国からガス調達できない状態のままになってしまう」と話した。

EUは昨年6月、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加制裁の一環で、ロシア産LNGの積み替えを禁止した。

ロシアはこれまで、欧州北部の港を船舶間貨物積み替え(STS)に利用し、LNGをアジアに輸送していた。積み替えが禁止されてから、欧州には多くのロシア産LNGが残ったままになり、一部加盟国は規制強化と全面的禁止を求めている。

一方で、規制強化に反対の声もあるほか、厳しい寒さやガス在庫の減少なども、ロシア産LNGを制裁対象とする考えに水を差したという。

トランプ米大統領は、EUによる米国産LNG購入拡大を望んでいるとして、EUが調達できるLNGを増やす方針を示した。ただ、輸出はすでに最大容量に達しており、EUが短期間で米国産LNGの調達を増やせるかは不透明だ。

昨年12月の米国産LNG輸出のうち、欧州向けは70%を占めた。

ロイター
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