ニュース速報
ワールド

インドネシア中銀、当面は通貨安定に重心 25年には利下げも

2024年11月30日(土)02時21分

インドネシア中央銀行のペリー・ワルジヨ総裁は29日、通貨ルピアの安定維持に金融政策の照準を合わせ、2025年に主要金利をさらに引き下げる機会を探る考えを示した。2023年1月撮影(2024年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)

Fransiska Nangoy Stefanno Sulaiman

[ジャカルタ 29日 ロイター] - インドネシア中央銀行のペリー・ワルジヨ総裁は29日、通貨ルピアの安定維持に金融政策の照準を合わせ、2025年に主要金利をさらに引き下げる機会を探る考えを示した。

トランプ氏の米大統領選勝利を受けて世界経済の不確実性は高く、世界経済や米連邦準備理事会(FRB)の政策動向にも影響するとの見方を、金融幹部や政府関係者との夕食会で明らかにした。

インドネシア中銀は、FRBが金融緩和サイクルを開始する直前の9月に金利を引き下げて以降は、政策金利を6%に据え置いている。

ワルジヨ氏は「トランプ氏の返り咲きによって、高関税や貿易戦争など地政学的状況や世界経済に大きな変化をもたらすだろう」と述べた。

「世界経済の成長率は25、26年に低下する。米国は堅調な一方、中国と欧州は減速する。ただインドとインドネシアは比較的良好な状態を維持するだろう」との見方も示した。

ワルジヨ氏は、世界的な混乱に備えてルピアの安定に注力する必要があることから、当面は金利を据え置くとした上で、「われわれは引き続き、さらなる利下げの余地を探っている」とも付け加えた。

中銀は、インドネシアが25年に4.8─5.6%、26年に4.9─5.7%成長すると予測。インフレ率は26年まで1.5─3.5%の目標範囲内にとどまるとしている。

今後2年間の融資の伸びは、年間11─13%と、今年の推定10─12%から加速する見通し。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イランのウラン生産加速、重大な懸念 交渉再開宣言と

ビジネス

実質GDP2次速報、7─9期年率1.2%に小幅上方

ビジネス

経常収支、10月は2兆4569億円の黒字 予想上回

ワールド

中東の転換点に、シリア反体制派が首都掌握 アサド氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 2
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能の島」の内部を映した映像が話題 「衝撃だった」
  • 4
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 5
    キャサリン妃が率いた「家族のオーラ」が話題に...主…
  • 6
    電力危機の救世主は「廃水池」だった...「浮くソーラ…
  • 7
    2027年に「蛍光灯禁止」...パナソニックのLED照明は…
  • 8
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 9
    白い泡が大量発生...インド「下水汚染された川」に次…
  • 10
    シャーロット王女の「史上最強の睨み」がSNSで話題に
  • 1
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 2
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 3
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社員にはなりにくい」中年自衛官に待ち受ける厳しい現実
  • 4
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 5
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 6
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 7
    【クイズ】核戦争が起きたときに世界で1番「飢えない…
  • 8
    ついに刑事告発された、斎藤知事のPR会社は「クロ」…
  • 9
    シリア反政府勢力がロシア製の貴重なパーンツィリ防…
  • 10
    肌を若く保つコツはありますか?...和田秀樹医師に聞…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 9
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 10
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中