ニュース速報
ワールド

米、リチウム電池再利用施設建設への融資決定 トランプ氏就任前に

2024年11月08日(金)13時46分

11月7日、米エネルギー省はリチウムイオン電池の資源回収・再利用を手がける処理施設を米東部ニューヨーク州に建設するカナダのリー・サイクル・ホールディングスに対する4億7500万ドルの融資を最終決定した。融資額は、昨年早期に暫定的に発表された金額より1億ドル増えた。写真はリー・サイクルのロゴ。2022年6月撮影(2024年 ロイター/Ernest Scheyder)

Ernest Scheyder

[7日 ロイター] - 米エネルギー省は7日、リチウムイオン電池の資源回収・再利用を手がける処理施設を米東部ニューヨーク州に建設するカナダのリー・サイクル・ホールディングスに対する4億7500万ドルの融資を最終決定した。融資額は、昨年早期に暫定的に発表された金額より1億ドル増えた。

この施設は、バイデン米大統領が掲げる電気自動車(EV)の国内サプライチェーン(供給網)構想を実現するための鍵を握る。バイデン政権の気候変動対策の重要な部分を構成しており、気候変動をでっち上げだと主張するトランプ次期大統領が来年1月の就任後にどのような措置を取ってもリー・サイクルが政府支援を受けられるようにした。

トランプ氏が大統領選で勝利した今月6日以来、投資家の間ではトランプ次期政権が再生可能エネルギーへの移行に対する財政支援を遅らせようとしているのではないかと懸念されている。バイデン政権は任期中に融資を完了し、プロジェクトを承認するために迅速に動いている。

融資は元本4億4500万ドル、資産化利息3000万ドルからなる。カナダ・トロントに本社を置くリー・サイクルはカナダとの国境に近いニューヨーク州ロチェスターに建設予定の処理施設に9億6000万ドルを投じる計画で、米政府の融資によって、残りの資金は民間から調達する方針。

資金を全額確保できれば着工し、建設には1年―1年3カ月を要する見込みだ。

政権末期を迎えたバイデン政権はこの数週間、米国の主要な鉱山開発プロジェクトを推進するための取り組みを進めてきた。オーストラリアのリチウム大手アイオニアによる米西部ネバダ州のリチウム鉱山開発プロジェクトの認可、同州でリチウム鉱床の開発に携わるカナダの鉱山会社リチウム・アメリカズへの融資、鉱山企業への税控除の拡大などを決めた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀総裁、12月会合で利上げの是非「適切に判断」 

ワールド

旧統一教会の韓鶴子総裁、初公判で起訴内容を否認

ワールド

韓国製造業PMI、11月は2カ月連続50割れ 需要

ビジネス

豪証取、情報開示システムに障害、一部復旧も約80銘
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 5
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 8
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中