ニュース速報
ワールド

最貧国SDGsに国際金融システムで取り組む必要=国連開発計画総裁

2024年10月08日(火)10時58分

 10月7日、国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁(写真)は、世界各地の最貧国で国内向け投資よりも債務返済を優先せざるを得ない状況が続いており、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた進展が妨げられていると述べた。写真は同日、独ハンブルクで撮影(2024年 ロイター/Fabian Bimmer)

Libby George

[ハンブルク(ドイツ) 7日 ロイター] - 国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁は7日、世界各地の最貧国で国内向け投資よりも債務返済を優先せざるを得ない状況が続いており、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた進展が妨げられていると述べた。資金難解決のため国際金融システムの問題に取り組む必要性を強調した。

ドイツ政府やUNDPなどが共催する「ハンブルク持続可能性会議」で世界の最貧国で財政資金がひっ迫していると指摘。このため貧困や飢餓の撲滅に加え、教育や医療へのアクセスの向上やクリーンエネルギーの提供、生物多様性の保護といったSDGsの幅広い17目標達成に腐心していると述べた。

その上で「後発開発途上国の多くが金融市場から文字通り閉め出されており、もはや資金の借り入れは不可能」と訴え、債務不履行を回避するため他の歳出を減らさねばならず「窮地に陥っている」と付け加えた。

さらにシュタイナー総裁は、世界的に気候変動対策の観点からも年間数兆ドルの資金が必要と説明し、SDGs達成には資金調達の強化が不可欠として「国際金融の構造と国際金融システムの問題に取り組まなければならない」と強調した。

世界銀行のアジェイ・バンガ総裁も発言し、SDGsの目標達成に必要な資金総額は4兆ドルに及ぶものの、政府機関や多国間機関だけで全額提供できず、支援が必要との見解を表明した。

こうした問題の解決策の1つとして、世銀が7月に発表したように公的機関の資金を使って民間企業に投資保証や保険を供与することで、リスクを軽減する取り組みが必要だと挙げた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 8
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 9
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中