ベトナム、上流のダム放流を懸念 中国外務省「氾濫防止で協力」
中国外務省は11日、台風11号(ヤギ)による深刻な被害を受けているベトナムに関し、河川氾濫対策・防止について同国と協力していると表明した。ベトナムは、中国領内のダム放流で河川の水位が上昇し、被害がさらに広がることを懸念している。ハノイで11日撮影。(2024年 ロイター/Khanh Vu)
[ハノイ 11日 ロイター] - 中国外務省は11日、台風11号(ヤギ)による深刻な被害を受けているベトナムに関し、河川氾濫対策・防止について同国と協力していると表明した。ベトナムは、中国領内のダム放流で河川の水位が上昇し、被害がさらに広がることを懸念している。
非常に強い台風11号が直撃したベトナムでは、死者が150人を超えた。首都ハノイ市内を流れる紅河が氾濫、沿岸部では工場が浸水し生産に支障をきたしている。
ベトナム、中国両国の外務省は、紅河の本流のリスクを低減するために協力しているとしている。
しかし、中国国境に近いハザン市の当局は11日、中国のダム放流で紅河の支流であるロー川の水位が上昇する可能性があると警告した。
中国外務省報道官は定例会見で、ダム放流とロー川に関し中国とベトナムが協力しているかとの質問に、「(両国は)緊密で効果的な対話を維持し、水量調節や氾濫防止に向け協力している」と述べ、中国側の紅河本流の水力発電所では貯水していると説明した。
ロー川のダム放流の情報はハザン省とベトナム国営放送のウェブサイトで報道されたが、その後削除された。
その後、ベトナム農業農村開発省のグエン・ホアン・ヒエップ次官が、中国側のダムが11日午後に放流したことを確認した。次官は「中国から事前に文書で通知があったので、われわれは準備ができた。放流量は少ない。一定の影響はあるだろうが、下流にはあまり影響はないとみられる」と述べた。