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シンガポール、持続可能な航空燃料「SAF」普及へ乗客に課税

2024年02月19日(月)17時47分

2月19日、シンガポール政府は、持続可能な航空燃料(SAF)の利用拡大に向け、同国を出発する便の乗客に課税すると発表した。写真はシンガポール航空ショーに向け飛行するエアバス機。シンガポールで18日撮影(2024年 ロイター/Edgar Su)

Lisa Barrington Brenda Goh

[シンガポール 19日 ロイター] - シンガポール政府は19日、持続可能な航空燃料(SAF)の利用拡大に向け、同国を出発する便の乗客に課税すると発表した。

2026年から、全ての出発便のSAF利用率を1%とすることを目指す。30年までに海外の動向やSAFの普及状況次第で3─5%に引き上げる。

チー・ホン・タット運輸相は、最初は目標を控えめに設定する必要があるとし「過度に野心的なサステナビリティー目標を掲げれば、空港ハブと経済に悪影響が及び、旅客運賃が値上がりする」と述べた。

シンガポール民間航空局によると、乗客に対する課税額はフライトの距離や座席クラスによって異なるが、シンガポール発のバンコク、東京、ロンドン直行便のエコノミークラスの運賃は26年にそれぞれ3シンガポールドル(2.23ドル)、6シンガポールドル、16シンガポールドル値上がりする見通し。

SAFには、合成燃料由来のものや廃食用油や廃材から製造されるものがあるが、現在のジェット燃料市場に占める比率は0.2%で、価格は通常のジェット燃料の最大5倍に達する。

航空業界は、50年までに排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)にする計画の一環として、SAFの利用率を同年までに65%まで増やす必要があるとしているが、これには1兆4500億─3兆2000億ドルの設備投資が必要になるとみられている。

国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務局長は「ネットゼロへの移行にはコストがかかる。最終的にはコストを運賃に反映する必要があり、成長の水準に影響が出ることになる」と述べた。

ロイター
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