カナダ、石油・ガス業界に30年までの排出量最大38%削減求める計画

カナダ政府は7日、石油・ガス業界に対して2030年までに温室効果ガス排出量を19年比で最大38%減らすことを求める計画を発表した。写真は石油生産施設。カナダのアルバータ州で2012年7月撮影(2023年 ロイター/Todd Korol)
Ismail Shakil Nia Williams
[オタワ 7日 ロイター] - カナダ政府は7日、石油・ガス業界に対して2030年までに温室効果ガス排出量を19年比で最大38%減らすことを求める計画を発表した。
企業間で排出枠を取引する「キャップ・アンド・トレード」を導入。ギルボー環境・気候変動相は「野心的だが実際的」な仕組みで、業界が生産量を落とさずに排出量を削減するのを手助けすると説明した。
ただ石油産地のアルバータ州とサスカチワン州、野党保守党、業界団体などからは反対の声が出ている。
カナダは30年までに排出量を05年比で40─45%削減することを目指しており、石油・ガス部門は全体の25%強を占める最大の排出セクター。環境活動家の多くは、国としての目標を達成するには、石油・ガス業界が21年時点で189メガトンの排出量を30年までに110メガトンに抑える必要があると主張する。
一方同業界は、クレジット購入や脱炭素基金への資金拠出を通じて、さらに25メガトンの排出も認められている。
政府は具体的な規制の原案を来年、最終版を25年に打ち出す方針。業界の順守開始時期は26年から30年までの間に設定される見通しだ。
専門家は、キャップ・アンド・トレードは業界にとって現実的な歳出量削減の仕組みだが、カナダが50年に排出量実質ゼロを達成したいなら、排出枠を30年以降大幅に切り下げなければならないと提言した。