南アGDP、第3四半期は前期比-0.2% ほぼ全業種が不振

南アフリカ統計局が5日発表した第3・四半期国内総生産(GDP)は季節調整済みの前期比0.2%減少した。ケープタウンで2019年6月撮影(2023年 ロイター/Mike Hutchings)
[プレトリア 5日 ロイター] - 南アフリカ統計局が5日発表した第3・四半期国内総生産(GDP)は季節調整済みの前期比0.2%減少した。農業、鉱業、建設業で生産が減少した。
調整前の前年同期比では0.7%縮小した。
ロイターがまとめたアナリストの予想は、前期比0.1%減、前年同期比0.2%減だった。
第2・四半期改定値は前期比0.5%増。1─9月のGDPは0.3%の増加にとどまった。
統計局のデビア局長は会見で、ほぼ全セクターがあまり成長も縮小もしなかったと述べた。
南アフリカは、国営電力会社エスコムの計画停電で深刻な電力不足が続いている。このため民間部門で再生可能エネルギーへの投資が盛んとなりGDPに寄与していたが、第3・四半期は失速した。
デビア局長は「第2・四半期はグリーンエネルギー関連製品の輸入が急増したが、第3・四半期は続かなった」と述べた。
キャピタル・エコノミクスの新興国副首席エコノミスト、ジェイソン・タベイ氏は、南アフリカは新興国の中で新型コロナウイルス禍からの経済回復が最も鈍いと指摘した。
2024年には成長が緩やかに回復すると予想。「電力供給改善の取り組みが奏功し、電力不足の影響は緩和し始める。(24年前半の実施が予想される)選挙が控えており、財政政策も緊縮スタンスが和らぐだろう」と述べた。