豪中銀、政策金利4.35%に据え置き 利上げバイアス維持

オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを12年ぶり高水準の4.35%に据え置いた。シドニーで2018年2月撮影(2023年 ロイター/Daniel Munoz)
Stella Qiu
[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを12年ぶり高水準の4.35%に据え置いた。追加利上げが必要になるかどうかは今後入手するデータとリスク評価次第と改めて表明し、来年2月の次回理事会まで判断を持ち越した。
10月のインフレ率が予想以上に鈍化したことを受け、市場では据え置き予想が大勢だった。
中銀は11月以降に入手した経済指標がおおむね予想通りだったと指摘した。
豪ドルは0.5%下落して1豪ドル=0.6581米ドル。豪3年国債利回りは5ベーシスポイント(bp)低下し3.995%。
市場が織り込む来年3月までの25bp利上げの確率は43%から38%に低下した。
中銀のブロック総裁は「今回の金利据え置きにより、利上げが需要、インフレ、労働市場に及ぼす影響を評価する時間を確保できる」と表明。
「インフレ率が合理的な時間枠内で目標に戻ることを確実にするために金融政策の追加引き締めが必要になるかどうかはデータとリスク評価の展開次第だ」と述べた。
中銀は4回連続で政策金利を据え置いた後、先月25bpの利上げを実施。ブロック総裁はその後、内需が物価を押し上げつつあると述べ、金利による一段と「大幅な」対応が必要になっているとの見解を示した。
バークレイズのアナリストは顧客向けメモで「声明文は11月ほどタカ派的でなく、また当社予想ほどタカ派的でもなかった」と指摘。
「豪中銀はデータ次第という姿勢のため、第4・四半期インフレ率の発表後に追加利上げの可能性はあるものの、当社は利上げサイクルは終わったと引き続き考えている」とした。
第4・四半期インフレ率は2月6日の次回理事会を控えた1月下旬に発表される。
中銀は、予想以上に低下した10月のインフレ統計について、サービス部門に関する最新情報を得るには不十分と判断。前期に記録的なペースで上昇した賃金については今後緩むと予想している。
ANZのエコノミスト、マデリン・ダンク氏は、11月の利上げによって少なくとも短期的にはインフレ懸念が払拭されることを中銀は期待しているのだろうと指摘。来年に見込まれる米連邦準備理事会(FRB)の利下げが続くようであれば、豪中銀が4.35%をピークに利下げに着手する可能性はあるとした。