金正恩氏、ホワイトハウスなどの写真入手 偵察衛星撮影=KCNA

11月28日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、最近打ち上げた偵察衛星が撮影した米ホワイトハウス、国防総省、ノーフォーク海軍基地の米空母の写真を受け取った。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。写真は24日にKCNAが公開したもの(2023年 ロイター/KCNA)
[ソウル 28日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、最近打ち上げた偵察衛星が撮影した米ホワイトハウス、国防総省、ノーフォーク海軍基地の米空母の写真を受け取った。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が28日に伝えた。
北朝鮮は先週、偵察衛星の打ち上げに成功したと発表した。衛星打ち上げは米韓軍の動きを監視するためとしている。
KCNAは、韓国の首都ソウルや米軍基地など偵察衛星が撮影した「主要な標的地域」とする一連の写真について報じている。
金氏はグアムのアンダーセン米空軍基地、ノーフォークとニューポートの米造船所、空軍基地の衛星写真も閲覧した。写真には原子力空母4隻と英国の空母1隻が写っているという。
米韓は、衛星打ち上げが弾道技術の使用を禁止する国連安全保障理事会決議に違反するとして非難している。
また韓国の当局者は北朝鮮が写真を公開していないため、衛星能力を検証することはできないとしている。
ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)の衛星画像専門家、デーブ・シュメーラー氏は、たとえ中解像度のカメラだとしても、広範な地域や軍艦を撮影したとの北朝鮮の主張を疑う理由はないと指摘。「ただ、そうした画像がどの程度有用かは利用目的による」とし、戦闘で利用するためにはさらに多くの衛星を打ち上げて重要地域を頻繁に撮影する必要があると述べた。
米国防総省のライダー報道官は、北朝鮮の衛星は地球周回軌道に乗ったとの認識を示しながらも、偵察衛星が撮影したとする画像を巡る北朝鮮の主張について直接コメントすることは避け、「国防総省とホワイトハウスの画像はネット上に多く出回っている」と述べるにとどめた。