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原油先物は値動き荒く、米中合意巡る米補佐官の発言で下げに転じる

2020年06月23日(火)12時45分

 6月23日、アジア時間の原油先物は堅調。新型コロナウイルス危機で落ち込んだ燃料需要が回復する兆しがみられていることから、前日の強地合いが続いている。写真はテキサスで昨年11月撮影(2020年 ロイター/Angus Mordant)

[シンガポール/東京 23日 ロイター] - アジア時間午前の原油先物は堅調に推移していたが、ナバロ米大統領補佐官が中国との通商合意は「終わった」と発言したと伝わると下落し、値動きの荒い展開となった。

その後、ナバロ氏は声明で、自身の発言は文脈を無視して報じられたもので、米中通商合意は続いていると説明。トランプ米大統領も中国との通商合意は全くの無傷だとツイートすると、市場はやや落ち着きを取り戻した。

0253GMT(日本時間午前11時53分)時点で、北海ブレント先物は0.07ドル(0.1%)安の1バレル=43.01ドル。一時42.21ドルまで下げる場面もあった。前日は2.1%上昇していた。

米WTI原油先物は0.14ドル(0.3%)安の40.59ドル。一時39.76ドルまで下げていた。前日は1.8%高だった。

OANDAのシニアアナリスト、エドワード・モヤ氏は「ナバロ氏の発言は突然だった。中国が約束した農産物購入の不足分に早急に対処しない限り、エネルギートレーダーは米中関係に懐疑的な見方をし続けるだろう」と語った。

ナバロ氏の発言が伝わるまで原油相場は上昇していた。米国をはじめ多くの国がロックダウン(都市封鎖)を解除したことで需要が復活していることが背景にある。

また、中東情勢の緊迫も原油相場の支援材料となっている。サウジアラビア国営テレビによると、サウジ主導の連合軍は23日未明、イエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ派」がサウジの2都市に向けて発射した弾道ミサイル3発を迎撃したと発表した。

一方、供給側では、米およびカナダの石油・天然ガス掘削リグ稼働数が過去最低水準となるなど、産出量が大幅に削減されつつある。

アクシコープのストラテジスト、ステファン・イネス氏は「米の陸上油田では、丸2年分の増産分がなくなった」と指摘。原油価格が回復したとしても、第1・四半期に削減された設備投資はすぐには戻らないという市場の見方を裏付けている、と述べた。

また、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が協調減産を順守する姿勢を示していることも、原油価格を下支えしている。

ロイター
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