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スペイン政府、カタルーニャ自治州に19日までの独立宣言撤回要求 

2017年10月17日(火)08時45分

 10月16日、スペインの中央政府は、プチデモン・カタルーニャ自治州首相が19日午前10時(0800GMT=日本時間午後5時)までに独立宣言を撤回しない場合、中央政府が同州の自治を停止し、直接統治すると宣言した。写真はスペイン政府のサエンスデサンタマリア副首相。マドリードで撮影(2017年 ロイター/Juan Medina)

[マドリード/バルセロナ 16日 ロイター] - スペインの中央政府は、プチデモン・カタルーニャ自治州首相が19日午前10時(0800GMT=日本時間午後5時)までに独立宣言を撤回しない場合、中央政府が同州の自治を停止し、直接統治すると宣言した。

中央政府はプチデモン氏に対し、16日午前10時(日本時間午後5時)までに独立宣言について立場を明らかにするよう求めていたものの、同氏は前週の独立宣言が正式なものだったか明確にしなかった。

サエンスデサンタマリア副首相はプチデモン氏が聞かれた質問に答えていないとし、改めて19日までに返答を求めた。

ただ、カタルーニャ自治州のテレビ局、TV3は関係筋の話として、プチデモン氏は協議の姿勢は維持するものの、19日に回答する意思はないと報じた。カタルーニャ自治州政府の報道官はこの報道について確認していない。

プチデモン氏は16日の書簡で「独立宣言」をしたとの認識なのかどうかを明らかにせず、ラホイ首相との2カ月の対話期間設定を「誠実かつ正直に」呼びかけた。

中央政府のサエンスデサンタマリア副首相は「プチデモン氏にはこの状況を解決し始める機会がまだある。彼は(独立)宣言について『イエス』か『ノー』で回答しなければならない」と述べた。

プチデモン氏の書簡を受けラホイ首相は、同州の自治権停止を可能にする憲法155条発動に一歩近づいたと述べた。スペインにある17の自治体が法を犯した場合、憲法155条に基づき中央政府はその統治権を停止することができる。

欧州委員会のユンケル委員長は前週、カタルーニャ自治州が独立した場合、欧州連合(EU)内の他の地域でも同じような動きを促すこととなり、EUが統治できない状態になるかもしれないと警告した。投資家らは、こうした動きが経済回復の妨げとなると指摘している。

首都マドリードの司法当局は16日、独立派政治団体幹部2人の身柄拘束を命じた。当局は、カタルーニャ国民会議のジョルディ・サンチェス代表と、草の根運動を展開するOmniumのJordi Cuixart代表について、独立を巡る住民投票に絡んだ扇動の疑いがあるとして身柄の拘束を命じた。

これを受けプチデモン氏は、中央政府は平和なデモを組織した市民社会の指導者を拘置した、と批判した。

マドリードの司法当局はまた、カタルーニャ自治州警察のトラペロ長官の出国を禁止し、パスポートを押収した。同氏は住民投票に絡んだ扇動の容疑で事情聴取中。

中央政府と州政府の対立が先鋭化する中、カタルーニャ州の大手企業の中には、州外への本社移転を進める企業もある。カタルーニャ州の経済規模はスペイン全体の約5分の1を占めており、混乱が続けばスペインの景気回復に影響が出る可能性がある。

*内容を追加しました。

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