ニュース速報

ワールド

北朝鮮ミサイル、米本土の大半が射程に 潜水艦活動の情報も

2017年08月01日(火)14時17分

 7月31日、米政府当局筋によると、北朝鮮が28日夜に行った大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を分析した結果、北朝鮮のミサイルが米国本土の大半に到達可能であることが分かった。写真はミサイルの発射の瞬間、7月29日撮影(2017年 ロイター/KCNA)

[ワシントン 31日 ロイター] - 米政府当局筋によると、北朝鮮が28日夜に行った大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を分析した結果、北朝鮮のミサイルが米国本土の大半に到達可能であることが分かった。

米政府当局者2人が31日、匿名を条件にロイターに語った。

今回発射されたICBMの飛行時間は約45分で、4日の発射実験よりも射程が伸びたことが示されたという。

また、当局者の1人は、今回のミサイルの高度、射程、威力は前回を上回ったと指摘した。

北朝鮮は29日、ICBMの発射実験に成功したと発表し、米本土全域が射程圏内に入ったと主張した。

一方、別の米情報当局者2人は31日、北朝鮮の最高指導者である金正恩朝鮮労働党委員長が核兵器の搭載可能なICBMを開発する狙いは、北朝鮮が他国からの攻撃を阻み、国際社会に認められることにあると指摘。米国やその同盟国への攻撃が自滅につながることを金委員長は知っており、そのような攻撃はICBM開発の目的ではないとの見方を示した。

米国防総省の報道官は会見で、北朝鮮が今回発射したミサイルの射程がICBMに分類される5500キロメートル以上だった可能性を認めた。ただ、ミサイル発射に関する米政府の分析についてはコメントを拒否した。

CNNは米国防当局者の話として、北朝鮮による「極めて異例で前例のないレベル」での潜水艦活動がみられると報じた。また30日には同月で3回目となる「射出実験」が新浦海軍造船所において地上で実施されたとした。

潜水艦活動に関する詳細な情報は明らかにしなかった。

潜水艦からの射出実験は通常、発射機から打ち上げられる際に高圧蒸気をミサイルの推進力とする「コールドローンチ方式」を測定するために行われる。

北朝鮮の東海岸に位置する新浦海軍造船所では以前、潜水艦からの弾道ミサイル発射実験を実施していた。

韓国国防省の関係者はロイターに対し、北朝鮮の状況を注視しているとしたが、機密事項のため詳細は明かさなかった。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ南部、医療機関向け燃料あと3日で枯渇 WHOが

ワールド

米、対イスラエル弾薬供給一時停止 ラファ侵攻計画踏

ビジネス

米経済の減速必要、インフレ率2%回帰に向け=ボスト

ワールド

中国国家主席、セルビアと「共通の未来」 東欧と関係
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増すばかり

  • 4

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 7

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 8

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中