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メルケル氏は強力な対米関係確信、相違に正々堂々と意見=報道官

2017年05月29日(月)23時47分

 5月29日、ドイツ政府のザイバート報道官は、メルケル首相(写真)は完全なる大西洋主義者であり、独米間の健全な関係性維持のために、両国の相違点について意見を言い合うことは正しいとの意見を持っていると述べた。写真はメーゼベルクで20日撮影(2017年 ロイター/Fabrizio Bensch)

[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツ政府のザイベルト報道官は29日、メルケル首相は強力な米独を確信しており、米国との政策の違いについて率直であることは正しいと考えていると述べた。

メルケル氏は28日、欧州は自身の運命を手中に収めるべきであり、トランプ大統領率いる米国やブレグジット後の英国はもはや信頼できるパートナーではないと示唆した。

トランプ氏は先週、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で国防費を公正に負担しないとして加盟国を批判、新たな気候変動対策の枠組みである「パリ協定」への支持表明も拒んだ。

メルケル首相は、欧州が他国に頼れる時代は「ある程度終わりを迎えた」と指摘。「過去数日の経験から、欧州は自らの運命を自ら握らなければならないとだけ言える。もちろん英米、そして出来る限りロシアも含む他国との友情と共にだ」とした。

共産主義の東ドイツで育ったメルケル氏は、十代の頃から米国を支持し、断固とした大西洋主義者として知られていた。それだけに同氏の発言は物議を醸している。

ザイベルト報道官はベルリンの定例記者会見で、首相の立場は変わらないと強調。「メルケル首相の言葉は自立を促すものであり、分かりやすく明快だった」と指摘した。

「首相について伝えてきたあなた方なら、米独関係が首相にとっていかに重要化を理解する」とし、「米独関係は外交、安全保障政策の要であり、今後も引き続き強化していく」と述べた。

その上で「首相にとって欧米関係は非常に重要であるため、両者の相違について誠実に正々堂々と意見を述べることが首相の考えだ」とした。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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