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NY市場サマリー(12日)株3指数下落、ドル高 10年債利回り上昇

2025年12月13日(土)07時25分

<為替> 方向感のない取引の中、ドルが円などの主要通貨に対し上昇した。来年の米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測を背景にドルはここ数日下落基調にあり、週間ベースでは3週連続で下落した。

ドル/円は0.2%高の155.93円。日銀は18─19日に開く金融政策決定会合で利上げに動くとの観測が高まっており、市場では来年の金利に道筋を巡る政策当局者の発言が注目されている。

英ポンド/ドルは0.2%安の1.3375ドル。 英国立統計局(ONS)が12日発表した8─10月の国内総生産(GDP)は前期比0.1%減少。ロイターがまとめた市場予想は横ばいだった。イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が18日に開く金融政策委員会(MPC)では、0.25%ポイントの利下げが決定されると予想されている。

ユーロ/ドルはほぼ横ばいの1.1735ドル。前日は約2カ月ぶりの高値を付けていた。

主要6通貨に対するドル指数は0.1%高の98.44。年初からの下落率は9%を超えており、年間の下落率は2017年以来最大になる可能性がある。

FRBの今週の会合での決定は9対3。FOMC後の記者会見でのパウエルFRB議長の発言のほか、FOMC声明は市場の予想ほどタカ派的ではなく、ドル売りの勢いを強める結果となった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米10年債利回りが上昇した。市場は連邦準備理事会(FRB)当局者らの発言や今後の経済見通しを見極めようとしている。

この日はFRB当局者が対外発言を控える「ブラックアウト」期間明けで、朝からさまざまな発言が相次いだ。シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、今週の利下げに反対した理由について、インフレと労働市場の状況に関する追加データを待つべきと感じたためと説明した。また、カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は、金融政策は「過熱」するインフレを抑制するために控えめに引き締め的であり続けるべきとの考えから、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の追加利下げに反対したと述べた。

10年債利回りは5.1bp上昇の4.192%。週間では5bp超上昇し、2週連続の上昇となる見通しとなった。

一方、2年債利回りは0.6bp低下の3.524%。週間では4bp低下した。

2年債と10年債の利回り格差は66.6bp。一時、66.8bpと、4月9日以来の水準まで拡大した。

30年債利回りは6.9bp上昇の4.859%。週間では約6.7bp上昇し、2週連続の上昇となる見込みとなった。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.325%、10年物が2.275%となった。 

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 主要株価3指数が軒並み下落。ナスダック総合とS&P総合500種の下落率は1%を超えた。半導体大手ブロードコムとIT大手オラクルの決算に絡み、人工知能(AI)バブルへの懸念が高まる中、資金がハイテクセクターから他のセクターにシフトした。また、米連邦準備理事会(FRB)当局者らの発言を受けた米債利回りの上昇も、相場の一段の重しとなった。 

ブロードコムは11.4%安。11日公表した第1・四半期の売上高見通しは市場予想を上回ったものの、AI売上構成比が高くなるため利益率が低下すると説明したことが嫌気された。

オラクルは4.5%安。10日発表した第2・四半期(9-11月)決算は、売上高や営業利益、将来のクラウド契約といった注目指標がいずれも市場予想に届かなかった。同社は米オープンAIに提供するAIデータセンターについて、一部施設の完成時期延期するとのブルームバーグの報道を否定した。

半導体大手エヌビディア< NVDA.O>は3.3%安。フィラデルフィア半導体指数は5.1%急落。半導体市場全体の重しになった。

個別銘柄では、カナダのスポーツ衣料品大手ルルレモン・アスレティカが9.6%高。年間利益見通しを引き上げたことや、カルビン・マクドナルド最高経営責任者(CEO)辞任が材料視された。

会員制倉庫型量販店の米コストコ・ホールセールは下落。11日発表した第1・四半期(9─11月)決算では、売上高と利益はいずれも市場予想を上回った。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル下落などを背景に買われ、続伸した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比15.30ドル(0.35%)高の1オンス=4328.30ド ルと、10月下旬以来約1カ月半ぶりの高値水準を維持した。週間では2.01%高。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給の緩みに対する懸念が根強く、小幅続落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.16ドル(0.28%)安の1バレル =57.44ドル。これは5月上旬以来約7カ月ぶりの安値で、週間では4.39%下落した。2月物は0.21ドル安の57.24ドルだった。 

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 155.81/155.84

始値 155.91

高値 156.12

安値 155.69

ユーロ/ドル NY終値 1.1740/1.1741

始値 1.1726

高値 1.1749

安値 1.172

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 96*15.50 4.8486%

前営業日終値 97*12.50 4.7900%

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*16.00 4.1860%

前営業日終値 98*27.50 4.1410%

5年債(指標銘柄) 17時04分 98*29.25 3.7417%

前営業日終値 99*01.00 3.7150%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.00 3.5242%

前営業日終値 99*22.63 3.5300%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 48458.05 -245.96 -0.51

前営業日終値 48704.01

ナスダック総合 23195.17 -398.69 -1.69

前営業日終値 23593.86

S&P総合500種 6827.41 -73.59 -1.07

前営業日終値 6901.00

COMEX金 2月限 4328.3 +15.3

前営業日終値 4313.0

COMEX銀 3月限 6200.7 ‐258.5

前営業日終値 6459.2

北海ブレント 2月限 61.12 ‐0.16

前営業日終値 61.28

米WTI先物 1月限 57.44 ‐0.16

前営業日終値 57.60

CRB商品指数 298.2899 ‐2.4943

前営業日終値 300.7842

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