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国内債券、1500億円程度積み増し 超長期債を中心に=大同生命・25年度下期運用計画

2025年10月20日(月)07時32分

 10月17日、T&Dホールディングス傘下の大同生命保険は、2025年度下期の一般勘定資産運用計画で、国内債券は超長期債を中心に1500億円程度を積み増す考えを示した。2011年8月撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)

Noriyuki Hirata

[東京 17日 ロイター] - T&Dホールディングス傘下の大同生命保険は17日、2025年度下期の一般勘定資産運用計画で、国内債券は超長期債を中心に1500億円程度を積み増す考えを示した。上期と同程度のペースを想定している。このうち、超長期債は1000億円程度を想定する。

運用企画部長の佐藤孝明氏がロイターなどに対し語った。年度内の10年金利は、追加利上げや積極的な財政政策への警戒感から緩やかな上昇を見込んでいる。超長期債の運用では「もちろん、少しでも(金利が)高い水準で買いたい」としたが、負債と資産のデュレーションマッチの観点から「あまり大きくタイミングのリスクは取りたくない」と話した。

債券市場では超長期債を中心に財政拡張的な政策への思惑が金利上昇圧力となった経緯がある。足元では政権の枠組みが明確になっておらず「(財政拡張的政策の)リスクがないとは言えない。(金利の)水準としてはいいところだが、引き続き警戒してみていく」と話した。

同社は年度内の20年金利のレンジを2.4─3.1%、30年金利を2.9─3.7%とみている。年度末はそれぞれ2.9%、3.4%と予想している。

日銀の金融政策は、インフレ率が依然、目標値を超えていることや為替の円安などで年度内の追加利上げを予想。ターミナルレートは1%程度を想定する。インフレ率は、政府補助によるエネルギー価格低下やコメ不足対策によって目標の2%に向けて緩やかな低下を予想。実質賃金の上昇や政府の経済対策を背景に、国内経済は内需主導で潜在成長率並みの成長が続くとみている。

一方、残高削減を進めてきた外国債券は横ばいを見込む。金利や為替、ヘッジコストなどに応じてヘッジ付きとオープンの間で残高調整をする。「米国債でヘッジ付きで1%を下回るリターンしか出せない」として、相対的な魅力は円債の方にあるとの見方を示した。米連邦準備理事会(FRB)による利下げは、同社が3%程度と見積もる中立金利に向けて段階的に継続実施するとみている。

国内外の株式は、市場変動リスクの低減を図るため、残高削減を継続する一方、貸し付けは海外のプロジェクトファイナンスを中心に残高を積み増す。オルタナティブ投資は、中長期的収益拡大に向けたリスク分散や収益獲得機会の拡大などのため増加を見込んでいる。

足元で政策の不透明感もあって為替は円安となっているが、次第に日米の金融政策の違いに目が向かうとみており、円高推移を見込む。

◎25年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。

日本国債10年物利回り 1.40―2.00%(年度末1.80%)

米10年債利回り    3.60─4.40%(同3.90%)

日経平均        4万2000円─5万2000円(同4万6000円)

米ダウ         4万2000ドル─5万0000ドル(同4万6500ドル)

ドル/円        139―158円(同145円)

ユーロ/円       162―185円(同171円)

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