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午後3時のドルは約2週間ぶり149円台へ下落、米地銀懸念 米利下げ観測も

2025年10月17日(金)15時43分

 10月17日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の149円後半で推移している。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Atsuko Aoyama

[東京 17日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の149円後半で推移している。米地銀の信用リスクに関する懸念が浮上したほか、景気悪化が意識されて米国での来年以降の利下げ観測も高まってきており、米金利が低下。約2週間ぶりに149円台に下落した。円サイドの要因としては、「高市トレード」巻き戻しを指摘する声も出ている。

ドルは前日海外時間の流れを引き継ぎ、朝方から上値の重い展開。米国の軟調な指標で景気悪化懸念も台頭した。米金利の低下基調は変わらず、ドル/円も朝方の150円前半から149円後半へとじりじりと水準を切り下げている。米10年債利回りは一時3.94%付近まで一段と低下し、半年ぶり低水準を付けた。2年債利回りは3年超ぶりの低水準となっている。

米地銀の信用不安でリスクセンチメントが悪化し、東京時間も米株先物が下落しており、ドルが売られる一方で円やスイスフランが買われた。「信用リスクが強まっている。金融システム不安につながることは今のところはないだろうが、楽観的な株価上昇が続いてきたこともあり、少し警戒が高まりつつある」(あおぞら銀行チーフ・マーケット・ストラテジストの諸我晃氏)との見方が聞かれた。

米金利先物市場では、来年にかけての利下げ観測が高まっている。これまでは来年の利下げ織り込みが2.5回だったのに対し、3回まで織り込みが進み、2年債の利回り低下につながった。

ドル/円相場は、高市早苗自民党総裁が就任した後の急上昇の半値押しの水準を下回ってきている。連立樹立を視野に進める日本維新の会との政策協議開始で高市首相誕生への期待が円安圧力となっているとの見方もある一方、維新の会は財政拡大には慎重とされ、「今までの金融緩和路線、積極財政路線からは少しトーンが落ちる」(みなと銀行資金証券部ストラテジストの苅谷将吾氏)として、「高市トレード」巻き戻しを指摘する声もある。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 149.74/149.7 1.1722/1.17 175.54/175.

8 24 55

午前9時現在 150.13/150.1 1.1696/1.17 175.66/175.

7 02 67

NY午後5時 150.42/150.4 1.1687/1.16 175.81/175.

4 88 83

ロイター
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