欧州・アジアの銀行株が下落、米国の与信懸念が波及

１０月１７日、欧州とアジアの金融株は前日の米地銀株の急落を受けて下落した。写真は１０月１日、フランクフルトで撮影（２０２５年　ロイター/Kai Pfaffenbach）

[シンガポール/ロンドン １７日 ロイター] - 欧州とアジアの金融株は１７日、前日の米地銀株の急落を受けて下落した。最近の米自動車関連企業の経営破綻を背景に、金融機関の与信基準への懸念が再燃している。

欧州の銀行株は序盤の取引で２．６%下落している。ドイツ銀行は５．８％安、バークレイズは５．０％安、ソシエテ・ジェネラルは４．３５%安となった。フランクフルト市場に上場しているシティグループも薄商いの中で５．５％下落した。

東京市場では銀行株と保険株が総じて軟調。東京海上、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループはいずれも３％近く下落した。

シンガポールのＤＢＳグループは約１％安、オーストラリアの保険大手ＱＢＥは９％安となった。

米銀行のザイオンズ・バンコープはカリフォルニア州の商業・産業向け融資２件で第３・四半期に５０００万ドルの損失を計上すると明らかにした。ウエスタン・アライアンスは詐欺行為を働いたカンター・グループを相手取って提訴すると発表した。これを受け前日の米株式市場で地銀株が６％急落した。

キャピタル・ドット・コムのシニア金融アナリスト、カイル・ロッダ氏は「不良債権の規模は大きいものの、それ自体がシステム全体にリスクをもたらすとは考えにくい」と述べた。

同氏は米地銀２行の問題の根本要因は緩い与信基準と詐欺にあると分析。こうした行為が広がっており、さらなるデフォルト（債務不履行）につながるとの懸念をあおっていると指摘した。